うる星やつらテレビシリーズ第七期データ
10/31更新

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※全て敬省略、すんません。
※原作の「1-1」表示は、小学館コミックス1巻1話目を表しています。
※「感想」は管理人deaconの独断と偏見によるものです。あしからず。

第151話 人か鳥か?豪華けんらん正義の味方!
放送月日 1984.10.17
脚本 井上敏樹
演出 西村純二
原作 22-8
作画監督 林隆文
独断評価 ★★★
原画 服部一郎、西島克彦、林隆文
小宮和枝(ラン)、鷲尾真知子(さくら)、沢りつお(ラムの父)、山田礼子(ラムの母)、青野武(28号)、西村智博、大塚芳忠
内容
(151話)
あたる、ラム、テン、三人仲良くテレビ観覧中、お菓子と間違えてあたるの指を噛んでしまったテン。あたるから必要以上のお仕置きを受け意気消沈するテン。そこに謎の行き倒れおっさんと遭遇。このおっさんの語ることによると、彼は宇宙の正義のセールスマン、「スーパーデリシャス遊星ゴールデンスペシャルリザーブゴージャスアフターケアーキッド28号」だという。倒れていた自分に水を与えてくれたテンを、正義の味方と認定して、正義の味方セットをテンに譲る。時速100kmでの飛行が可能になって大喜びするテン。しかしその影には子供相手に悪徳商売をする裏の顔があった・・・。
感想
(151話)
冒頭、真空の宇宙空間でマントをたなびかせつつ飛行するアフターケアーキッド28号。宇宙空間で海賊旗をはためかすキャプテンハーロック並に非科学的である。しかし・・・。この飛行時間の長いこと長いこと。こんなに引っ張る意味は全然ないぞ。声優さんもセリフに困っとるやないかぃ!時間稼ぎとしか思えん。ディーンになってからこういうワンカット長回しシーンが多くなってきた。あたるの部屋で仲良くテニスの試合を見るあたる、ラム、テン。この団欒が私には嬉しい。しかしいつの間に部屋にテレビをおいたのだ?あたる。この後のあたるによるテンのレシーブシーンでバックに一瞬白黒の響子さんらしき顔が画面に写る。ぶっとばされたテンがアフターケアキッド28号に遭遇し、時速100kmが出るマントを貰うシーンの驚愕のテンの顔はもはやテンの顔にあらず。初期「あさりちゃん」のような表情になっていた。そのテンが時速100kmで飛行するシーンがあったが、やはりピエロ時代に比べるとスピード感に欠ける。ピコピコハンマーであたるに天誅を食らわすシーンでは、一瞬バックに「ピコン」の文字が。仕返しをしようとするあたるからこっそり逃げようとするテンの表情が爆笑物。この場面、テンの「キーン」というセリフからあたると遭遇するまで18秒45かかっていた。最後の5秒を減速に使ったとしても13秒は時速100kmで飛行していたであろう。すると最初の「キーン」はあたるから361m離れていたことになる。甲子園のホームベースからバックスクリーンの距離の2倍強離れている地点から聞こえたテンの声。アニメではささやくような声だったが、実は血管が切れそうなほど怒鳴っていたと考えられる。あの小さな体でよーやるわ。後半冒頭は、またもアフターケアキッドのあまり意味のない冗長な一人舞台シーン。まさに時間稼ぎ。多いなぁ最近。しかしこいつ、「山中しかのすけ」「宮本武蔵」等よく異星の歴史を調べてるな。まさに営業マンの鑑である。おれも見習わんと・・・。この後の、あたるとさくらのシーンでは、バックに「めぞん一刻」の一の瀬夫人と四谷さんの姿が。また、ラムの幼年期回想シーンにおける部屋に飾ってあるラムの肖像画はなぜか成人したラムの絵。想像で描いたのか?はたまた第80話「夫婦げんか食うか食われるか!?」の設定をそのまま使ったが為か?ラスト、充電器をテンに売りつけようとしたアフターケアキッドに激怒するラムの表情が爆笑物。今回、前半の作画は西島克彦氏が担当。やはり綺麗で丁寧。前半後半の冗長シーンをのぞいてはテンポも良くかなり面白かった。ところで今回28号を担当した青野氏は、戦艦ヤマトで真田役をしてた青野さんか?大ベテラン登場である。尚、今回からオープニング、エンディングが変更。「Chance On Love」「Open Invitation」へ。オープニングの英語に対する字幕には笑ったが、何故かエンディングには字幕なし。またアイキャッチもラムジャンプバージョンへ変更。


第152話 先輩達をやっつけろ!ご存知三人娘の逆襲
放送月日 1984.10.24
脚本 土屋斗紀男
演出 鹿島典夫
原作 22-6
作画監督 土器手司
独断評価 ★★★
原画 広田麻由美、酒井啓史、合田浩章、榎本明広、金森賢二、高橋久美子
三田ゆう子(弁天)、小原乃梨子(お雪)、坂本千夏(じんじゃあ)、鵜飼るみ子(ぺっぱあ)、TARAKO(しゅがー)、西村知道(校長)、神代智恵、植竹真子(レポーター)
内容
(152話)
前回、先代スケ番グループにコテンパン(死語)にやられたあの三人娘が復讐に燃え再び集結した。弁天へのバイク細工、お雪への落とし穴、全て失敗に終わった彼女達は、ラスト、ラムとの勝負に全てを賭ける。一方ラムは合いも変わらぬあたるの浮気に今日も激怒の電撃を食らわしている。そのラムの怒り癖を治そうとあたるが一つの案を彼女に提案。即ち「3日間あたるの浮気に我慢すればデートをする」。このあたるの案を受け入れたラムは3日間のあたるの浮気に絶えつづける。ちょうどその時期に三人娘が逆襲に来た為、彼女達の不意打ち作戦が全て裏目にでてしまう。一方的にやられる三人娘。そして3日後。約束を反故しようとしたあたるに3日分の電撃を喰らわせたラムは、初めて三人娘と対峙するが・・・。
感想
(152話)
3人娘、120話以来32話ぶり再登場。冒頭しゅがあの見ている番組は明らかに当時人気番組だった「なるほど・ザ・ワールド」のパロディ。司会の愛川欽也、楠田枝里子そっくりな怪獣がおもしろくもおぞましい。弁天のバイクに爆弾を仕掛け、そのバイクにまたがって爆発させた3人は確かにあほそのものだが、弁天のバイク破壊は結構弁天にとって痛手だったのでは?また、お雪を襲うシーンでの落とし穴とそこに落ちるツララの位置関係が変。俯瞰図から見ると、ツララは落とし穴の遥か手前で落ちることになる。なのに、落とし穴にジャストミートしていたツララ。海王星では地球の物理が通用しないのかもしれん。場面変わって諸星家、度重なるラムの怒りに対してのあたるの発言、「俺の浮気は引き金に過ぎん」は、結構重要である。あたる、ラム以外の女の子に手を出す事を「浮気」と定義づけたのである。つまり遂にラムを本命と認めたということか?ま、丸3年もいっしょに暮らしているともう認めざるを得なかったのかもしれんのう。地球にやってきた3人娘が雨合羽に身を包んで電柱に隠れるシーンで、彼女達はラムの電撃によって折れた電柱の下敷きになっていた。電柱にヒビが入ってから倒れるまでおよそ8秒02。その間まったく微動だにせず倒れてくる電柱に身を任せていた3人。鈍すぎるのでは?あたるが他の女の子にちょっかいをだしつつ、ラムに向って「元気?」とからかいの言葉をかけるシーンにおける、ラムの引きつった「げ、元気だっちゃよ」の顔は必見。さらに、その後の電撃によって校舎から生徒が次々と落ちていく描写も必見。その破壊された校舎、体育館、友引町の凄惨な有様の描写は秀逸。まさに焦土と化していた。友引高校にとどまらない町全体の破壊は、町に億単位の被害をこうむらせたことであろう。誰が賠償したのだ?誰が。第一候補、ラムの両親、第二候補面堂財閥。ラムにとことん弱い面堂の方が可能性が高いか?破壊された体育館のシーンから、ぺっぱあ登場シーンにかわる効果音は、いにしえのギャグ漫画を髣髴とさせていた。まさに「ハクション大魔王」の「それからどした?」シーンに使われていたような効果音。(←わからんか)。番組後半からラスト近くまで続く、ラムによる「ダーリンの馬鹿ぁ!」連発シーンは凄惨を通り越して爽快。破壊された校舎をみて「小春日和ですなぁ」と泰然自若と呟いた校長、人間できすぎ。はたまた完全に思考ストップ状態だったのか?そして運命の三日目。案の上しらばっくれるあたるに三日分の電撃を食らわしていたラム。友引町を完全に崩壊させた電撃とほぼ同量の電撃を喰らったのに、体にはコゲ一つなく、失神だけですんだあたる。彼も凄いが、真に凄いのは、これ程までにおちょくられながらも、まだあたるとのデートを敢行しようとしたラムではなかろうか?半分以上意地だったろうけど。今回の作画監督はあの土器手司氏。かなり原作に近い作画を丁寧に描いていて非常に美しかった。物語全体的のテンポも軽快で◎。尚、今回も場面の片隅にスタッフのお遊びが。一つ目は、しゅがあの必殺技シーン。ほんの一瞬、宇宙刑事物第二作「シャリバン」の姿が浮かび上がる。1983年の特撮物だ。二つ目はじんじゃあの同じく必殺技シーン。ここでもほんの一瞬、宇宙刑事物第一作「ギャバン」の姿が。これは宇宙刑事シリーズ第一作で1982年の作品。最後はぺっぱあの同じく必殺技シーン。ここでも更にほんの一瞬、宇宙刑事物第三作「シャイダー」の姿が。これは1984年、つまりこの153話と同時期に放送されていた作品。懐かしい。3作品とも私は大好きで、ほぼ全話欠かさず見ていた。「ギャバン」なんか、今でもオープニングをソラで歌えるほど。最近の人は多分わからないだろうなぁ。しみじみと時代の流れを感じるおっさんdeaconでした。お粗末。


第153話 燃えよかくし芸!この道一直線
放送月日 1984.10.31
脚本 曽田博久
演出 須田裕美子
原作 21-3
作画監督 加藤鏡子
独断評価 ★★★☆
原画 久米一成、高木弘樹、柳田吉秋、原博、飯田悦子、吉川由美子
田中真弓(竜之介)、安西正弘(竜之介の父)、西村知道(校長)、西村智博(こたつネコ)、古今亭朝太(落語家)、平井隆博、大城松美、
内容
(153話)
温泉マーク出張の為、自習になった2年4組において校長先生主催のかくし芸大会が行われることになった。審査委員はラムの知り合い、芸一筋がつとめることに。しかしこの芸一筋が相当な曲者。わずかな芸の妥協も許さず、失敗したもの、あるいは動物を使っての芸をするものは全て消されてしまう。しかし女性だけは別。笑うか泣くかすれば芸一筋の絶賛を受けることになる。それに目をつけたあたるは女装して芸一筋の目を誤魔化そうとするが・・・。
感想
(153話)
このオープニングのバニーラムは、本放送当時の印象が強い。当時はかなり長めに感じたのだが、改めて見ると丁度いい時間にも思えた。お辞儀したラムの表情がレアでよろしい。今回の舞台は友引高校。おお!もう前回の破壊から修復が完了している!しかも校長は皿回しの芸の練習なんかしちゃって余裕かましてるし。こいついつ仕事をしてるのだ?その皿なんだが、割れたのは一枚。しかし破片の量は一枚以上。不可解である。この後の校長の回想シーンはいかにもスタジオディーンらしい。全編を流れるノスタルジック調の雰囲気はいいのだが、やはり冗長。この落語家の声を担当している人は本職の落語家、古今亭朝太氏。すると、アフレコはどうなってたのだろう。この噺家の持ち味を最大限に出すためには、先に彼の声を録音して、その後、それに合わせた作画を作った可能性もあるだろう。放送当時、中学1年の私は、「とーなす〜♪(かぼちゃ)」の場面でなぜ観衆が笑ってるのか全然わからなかった。そして今もって良くわからない。しかしこの回想シーンの校長、あまりにもレトロだぞ。どう新しくみつもっても昭和初期の風景。すると彼は明治生まれか?放送当時75歳だった可能性大。それにしては若い。容姿も精神年齢も。前半も終了に近づいてようやく本編開始。隠し芸大会を盛り上げようと、扇子を取り出した、あたる。どこから取り出したのか?それだけでも一つの芸である。同じく、面堂の釣鐘割り。確かに割ること自体は隠し芸ではないが、あの鐘をいきなり取り出しただけでも一芸になると思うのだが。この後の、面堂の「おぼえておれよ!」は爆笑物。さらに動物を使った芸が認められないことをしった4人組の反応も爆笑物。審査員の芸一筋が女好きであることを知った竜之介、「女にやさしいならリラックスしてやれるぜ」とのたまっていたが、知らない人が見たら彼女の外見はどう見ても男。この竜之介の根拠のない自信は、彼女らしいといえば彼女らしい。一度異次元から戻ってきたパーマ、再度失敗して消されていた。そのときの周りの声「やっと戻ってきたって言うのに・・・。」や、ラジオ体操第二を始めるメガネたち、同じくタコ回しをしようとして飛ばされる面堂達の姿には腹を抱えて笑わせてもらった。いいテンポなんだよね、この辺。ラストの芸一筋だらけの世界にかかっていたBGM、「宇宙は大変だ」は、画面にはまりすぎていて、懐かしさともない胸がいっぱいになった記憶がある。この曲大好き!今回の作画は加藤響子さん。女性らしい繊細なタッチで丁寧に描かれており非常に美しかった。校長回想シーンをのぞく本編は、全編テンポが軽快で見るものを退屈させなかった。


第154話 死んだらあかん!了子の特製ワラ人形!!
放送月日 1984.11.7
脚本 井上敏樹
演出 吉永尚之
原作 22-9
作画監督 遠藤祐一
独断評価 ★★★☆
原画 富田悦子、門脇孝一、遠藤祐一
小山茉美(了子)、田中真弓(竜之介)、池水通洋(温泉マーク)、島田敏(黒子)、西村智博(黒子)、松井菜桜子(女生徒)、大塚智子(女生徒)
内容
(154話)
戯れに終太郎のワラ人形をつくった了子。その人形に対しての悪戯の欲望に抗え難くなった了子は、そのワラ人形を諸星あたるにたくす。まったく事情をしらないあたるは、了子からのお守りとして認識、大切に扱うことを決意。しかし普段通りに、しのぶ、竜之介にちょっかいをだしたからたまらない。あたるが彼女たちから制裁を食らわされるたびに同等の痛みを感じる面堂は、ワラ人形の持ち主があたるであることを確信。無謀なことばかりするあたるをかばい続ける。それをみたあたるは面堂の友情のあらわれだと勘違いして・・・。
感想
(154話)
まさに抱腹絶倒の爆笑編。絵柄もテンポも文句なし。やっぱ、あたると面堂の掛け合いは最高に面白い。今回のアニメは後のOVA「了子のお茶会」のベースにもなった。冒頭の不気味な人形等の描写は、怪奇ジャンルで一時代を築いた澁澤龍彦氏の影響か?巨大プロジェクターでSFものを見る面堂の熱狂振りが笑える。更に、主人公と同じ動きを習得している彼の描写は爆笑もの。了子によって体をもてあそばれる面堂、首が340°回っていた。エクソシスト顔負けである。自室に帰った後、悶えながら終太郎の人形をいたぶる了子の姿もおおいに笑わせてもらった。場面は変わって諸星家。あたると一つ布団を同じくするこたつネコの姿がユーモア。布団の半分以上をとられつつ笑顔で寝続けるあたるのやさしさ(?)には胸がいっぱいになった。了子からの伝言を聞き、承知したあたるが胸と同時に終太郎のワラ人形をたたいてたが、そのときの終太郎の反応および、表情が最高だった。翌日の学校で、温泉マークによる英語の授業を受ける面堂終太郎の乱れた髪形が少しセクシーだった。次の授業は体育。だからなんでこれも温泉が受け持ってるのだ!?先週の出張分の埋め合わせか?昼休み(?)、校庭でメガネたちと野球を興じるあたる。おいおい、思いっきし足がバッターボックスからはみ出してるぞ。メガネの投じたボールは、始め凄まじいスピードをだしていたが、突然失速、バッターボックスの前で完全にその勢いを止めいていた。一見棒球に見えるが、初速がかなりのスピードを出していたことに注目しよう。つまりこれ、恐ろしいキレのチェンジアップだったのだ!!今の世なら大リーガーも夢ではなかったろうに・・・。ヒットを打てたことがワラ人形のご利益と勘違いしたあたるが人形に頬擦りするシーンと、頬擦りされた為、女生徒の前で悶絶する終太郎の姿は必見。とくにこの面堂の醜態は爆笑ものであった。また、この後のしのぶの超ぶりっ子リアクションもテンポ、絵柄とも申し分なかった。更に、自分をからかうあたるに向かって、ラムが「なんだっちゃ、これは。なんだっちゃこれはダーリン!!」と激怒するシーンの彼女の表情描写は原作に非常に忠実で笑える。この後、危険な行動ばかりするあたるを、面堂がかばい続けるシーンが続く。しかし、面堂、いくらあたるをかばったからといっても、自らが危険に飛び込んで痛い目にあっていては、結局はあたるを助けても助けなくても同じことであることに気付いているのだろうか?やっぱり、大馬鹿面堂終太郎。このあたるを助けるシーンの一つで、面堂は校舎別館屋上から地上に落下していた。その滞空時間3秒90。つまり落下距離74.5m、地面激突時の落下速度は時速137.6km。落下速度もさることながら、落下距離が問題である。74.5mだぁ?友引高校別館は24階建てだったのか!?そんな高いところでバレーをするな、あたる!それよりそんな所は立ち入り禁止にせんかい!校長!!この後、暴れ馬、暴れ牛、暴れ象に襲われ(すべて了子の差し金)、地面に埋まる面堂の描写や、それに対して花を添える女生徒の描写、ともに爆笑もの。面堂の友情に感動したあたるの妄想シーンはいかにもスタジオディーンらしい。本放送当時はこの描写が非常に冗長な印象を受けたのだが、改めてみてみると当時の印象よりは長くは感じなかった。1分20秒あるんだけど。堪忍袋の緒が切れた面堂に脅かされ、ワラ人形ではなく財布を出すあたるも最高。また、ラストのワラ人形同士のデスマッチに挑むあたると面堂の姿がことのほか間抜けで面白かった。スタジオピエロ時代なら、ここで終わらせていたであろう。しかしこの後、了子の印象的なシーンでラストを迎えていた。このような終わり方もいかにもディーンらしかった。とにかく今回は、絵が非常にきれいで、内容的にも非常に原作に忠実で、更に原作のテンポのよさがアニメでも十二分に生かされておりかなり完成度の高い作品となった。


第155話 お見合い地獄!ヨロイ娘は美女?怪女?
放送月日 1984.11.14
脚本 柳川茂
演出 鈴木行
原作 22-1.2
作画監督 土器手司
独断評価 ★★★☆
原画 青木康直、平田智浩、藤川太、高橋久美子、金森賢二、榎本明広、堺啓史
島本須美(水乃小路飛鳥)、小山茉美(了子)、島田敏(水乃小路飛麿)、天地麦人(面堂の父)、梨羽由記子(飛麿の母)、小宮和枝(ラン)、吉田理保子(クラマ)、西村智博(黒子)
内容
(155話)
突如父から水乃小路家の娘との見合いを命ぜられた面堂終太郎。代々憎みあってきた水乃小路家の娘、更にその女が不気味な甲冑で身をまとっている事を知った終太郎は、必死で反対するも両家の両親から逃げることができない。しかしその甲冑の中身が美人だと知ったあたるは、何も知らない面堂を救出し、自分が面堂終太郎に化けて見合いを敢行しようとするも、ちゃちな変装がばれて館から追い出されてしまう。その後、終太郎も甲冑の中身が美人である事実を知り、俄然に見合いに気合が入る。しかし当の本人(飛鳥)は、15年も男はおろか、父も兄もを知らずに育ってきた箱入り娘。更に最初にあったのがあたるだった為、重度の男性恐怖症に陥ってしまう・・・。
感想
(155話)
水乃小路飛鳥初登場。冒頭における、特訓場面のテンポ、BGMともに秀逸。このシンセサイザーを多用した音楽は安西文孝氏の作品か?面堂の父による「すけべぇができる」発言は、当時全然意味がわかってなかった。結構、あからさまな意味だったんですね・・・。あたる、終太郎、飛麿が池で遭遇するシーンから作画が若干変更。少し稚拙な絵になっていた。その場面に登場した、甲冑娘(飛鳥)の姿と声の可愛さのギャップ、および、面堂の想像における自分のバカ面、バカ声は爆笑物。飛鳥の特訓のシーンにおいては、200kgの甲冑をつけて軽々25mほど飛んでいた。超人ブフカの3倍・・・。また、あたるに追いかけられ、「水乃小路アスレチックセンター」に逃げ込んだ飛鳥が、センター内の遊具施設である、非常に高い棒の上から落ちるシーンがあった。その落下時間は4.36秒。実にその高さ93m。30階ビルの屋上に相当する。そんなもん、公共のアスレチックセンターに置くな!!遊具施設であるからには誰でもそこまで登れるものと思われる。死人が出るぞ確実に。賠償問題になったら水乃小路家に勝ち目はなし。後半冒頭の、終太郎夢シーンは爆笑もの。こいつの妄想シーンや、夢シーンにすべりなし。特に夢のラスト部分、絶叫しながら、遠ざかっていく彼の姿は最高であった。また、甲冑娘との結納を聞いた終太郎乱心シーンにおける「終ちゃん、負けない!」発言も、アニメの終太郎らしく面白かった。その後、サングラス部隊につかまった終太郎は、紐でくくられて強制的に水乃小路家に連れて行かれていた。その縛りかたが非常に卑猥。おいおい、亀甲縛りじゃねえかっ!(知ってる筆者も問題あり)この後の、お手伝いに化けたあたるから逃げ回る飛鳥のシーンで流れていたBGMも、感動するくらい場面とマッチしていて最高だった。冒頭のBGM、それにこのBGM等、今回の音楽は躍動感あふれる曲が多く、物語の完成度を高める役割を十分果たしていた。その飛鳥を追いかけるあたるに、水乃小路家の警備係の女性が大挙して襲い掛かっていた。彼女たちも十分美人なのに、なぜか今回のあたるはまったく見向きもしてなかった。よほど飛鳥が気に入ったのだろう。また、冒頭に出てきた彼女たちの声を担当していたのは、ラン役の小宮和枝さんとクラマ役の吉田理保子さん。えらく豪華キャストだなと思ってると、後半冒頭の面堂の夢シーンにて、一瞬だけランとクラマが出ていた。なるほど、これだけの台詞だけだったらもったいないもんね。だから、水乃小路家の警備係としても出演していた訳か。尚、今回からとんちゃん(飛麿)役の声優さんは島田敏氏。うる星初期からその他役で活躍していた方だ。晴れて役名がついたわけだ。おめでとうございますっ!また、今回は128話以来の2週構成。原作4話分を忠実にアニメ化している為だろう。しかし・・・。前回に引き続き、今回もラムの出番が少ないぞおおおおおおおっ!!ところでラストの錯乱坊、「御願い奉りまする」の後、なんとつぶやいていたのだ?多分全く意味のない呟きだとは思うけど。


第156話 ヨロイ娘の恋!乙女心はグラグラゆれて
放送月日 1984.11.21
脚本 柳川茂
演出 鈴木行
原作 22-3.4
作画監督 森山ゆうじ
独断評価 ★★★☆
原画 川名久美子、津久井明子、大滝友子、泰良みつ子、市川吉幸、田村英樹、増田昭一、庵野秀明
島本須美(水乃小路飛鳥)、小山茉美(了子)、島田敏(水乃小路飛麿)、天地麦人(面堂の父)、梨羽由記子(飛麿の母)、小宮和枝(水乃小路家の警備係A)、吉田理保子(水乃小路家の警備係B)、西村智博(黒子)、大塚智子
内容
(156話)
公衆の面前でついにその美しい姿を見せた飛鳥。しかしあたるに植え付けられた男性恐怖症の為、面堂、あたるに近寄ることもできない。なんとか飛鳥に近寄ろうとする終太郎、あたるを追い払い、逃げ去った所に、実の兄である水乃小路飛麿がいた。双方が、兄弟であることを知らない為、飛麿を男と認定した飛鳥は、実の兄を突き飛ばしてしまう。しかし一瞬顔を見合わせたとき、飛麿の目が自分の目と同じことを発見、それが、男の中でも特殊な「兄」である事に気付く飛鳥。また、飛麿も、後から彼女が自分の妹であることを知って飛鳥を終太郎とあたるから守ろうとするのだが・・・。
感想
(156話)
うる星では珍しい2週にわたる続き物。その完結編。冒頭、飛鳥に振り回され、遥かかなたへぶっ飛んでいくあたるに対して、「どこへいくっちゃ!」と叫んでいたラム。おそらくあたるにも分からなかったと思うぞ・・・。同じく、あたるから逃げてジャンプしたした飛鳥、着地する直前のシーンのポーズと飛行音は、ラムそのもの。飛鳥、空を飛べたのか!?その飛鳥と飛麿の衝突シーンでは、正体不明の女の子とポルシェの映像が一瞬だけ映っていた。また、水乃小路家のパパによる回想シーンの赤ん坊の泣き声が異常にリアルで気持ち悪かった。普通は大人の声優さんが赤ん坊の泣き声を演じるだろうに、今回に限って、どうやら本物の乳幼児の声を使っていたようだ。この後の池を泳ぐ飛鳥の姿とその効果音のテンポが軽快で◎。更に彼女を追って爆走するあたる、終太郎の姿や、それから逃げる為、周りにある木を根こそぎ倒していく飛鳥の姿も最高。すばらしいテンポだった。飛鳥の振り回した大木の下敷きになったあたるに対してのラムの台詞、「何してるっちゃ、ダーリン」は、なぜか大阪弁のイントネーションだった。また、へのへのもへじ顔の旦那を「ハンサム」と言い切る水乃小路家のママに対しての、あたるの台詞「恐ろしい結末じゃ」と、終太郎の台詞「男前とラクガキの区別をつけられないとは・・・。」は爆笑もの。これを含めてだが、前回同様、今回も非常に原作に忠実。特に、原作で爆笑した箇所が、アニメではその動きとテンポがあいまって更に面白くなっていたのが印象的。ここから若干のアニメオリジナルが始まる。なぜか了子が空挺部隊を率いて水乃小路家に攻撃を開始。そこでの水乃小路家司令部の台詞に「北北東100キロより」というのがあった。なに?すると水乃小路家は東京にはないのか?しかもその方角だと近隣の副都心からも大きく離れる。結構ローカルな財閥である。このオリジナル場面の先頭シーンは迫力満点。戦闘機の描写がリアルで秀逸。戦闘機オタクがいたんだろうなぁ、作画の人の中に。その先頭のさなか、飛鳥に対して「夫婦」の説明をするラムの思案顔がレアで◎。また、今回のオリジナル場面において、原作、アニメを通じておそらく唯一の了子の慌てふためくシーンが登場。さらに全裸シーンまで。この、了子の慌てふためくシーンは、彼女が普段見せない姿なので非常に面白かった。しかし全裸シーンって・・・。いくら視聴者サービスだからといってもなぁ。若干疑問がのこるシーンだった。面堂家最終兵器のオクトバシィとなって地上に降り立った了子。必死で戦車を倒そうとする姿が、いつも冷静沈着な彼女らしくなく、馬鹿丸出しで爆笑もの。しかしその戦車の乗組員、了子のモビルスーツ姿を見ただけで「オクトバシィ!」と叫んでいた。なぜ分かる?了子ですら、つい先ほどまで「オクトバシィ」の実態を知らなかったのに・・・。結構面堂家の情報が、水乃小路家にリークしているものと思える。ザルだな、面堂家情報網。しかし、なるほど確かに面堂家の最終兵器だな、了子は・・・。前回、今回と2週にわたって放送された飛鳥のエピソードは、土器手司、森山ゆうじという二大作画監督のすばらしい絵と、それにマッチした躍動感あふれる音楽によってその完成度を高めていた。しかし今回、あたる、ラム、いいとこ丸で無しだな。尚、今回主役だった飛鳥、全国のロリコンおよびシスコン魂に火をつけたのか、この後、いくつかのエピソードに主役として登場することになる。彼女の声の担当は、ルパン三世「カリオストロの城」におけるクラリスや、「風の谷のナウシカ」におけるナウシカ役で有名な島本須美さん。これまでも、第52話「クチナシより愛をこめて」における花屋のおねえさん、第53話「美少女は雨とともに」における雨森露子役等でうる星に出演していた。


第157話 死ぬほど会いたくて!純情キツネ再び!!
放送月日 1984.11.28
脚本 島田満
演出 吉永尚之
原作 21-10
作画監督 遠藤裕一
独断評価 ★★★
原画 河南正昭、丹沢学、富田悦子、遠藤裕一
菅谷政子(キツネ)、鷲尾真知子(さくら)、池水通洋(温泉マーク)、島田敏(映画のキツネ)、沢木郁也(屋台のおやじ)、西村智博(こたつネコ)
内容
(157話)
野ギツネによる野外映画会に参加した子ぎつね。その映画は、朝落ちた銀杏の実に、自分の思いのたけをこめて満月の夜に人間に食べさせれば、その人間は一晩だけキツネになるというストーリー。翌朝、しのぶに食べさせる為、朝一番の銀杏を袋につめて、友引町に向かうキツネ。道に迷い犬に襲われしのぶに会えず一人落ち込むキツネ。そのキツネの耳に、聞き覚えのある声が。そこには、焼芋を食べに外出していたあたるとラムの姿があった。しのぶに変身して、しのぶの家を聞くキツネ。だまされたふりをして、キツネをしのぶの家に連れて行くあたるとラム。そこでようやくキツネはしのぶと再会を果たす。そして当初の目的である銀杏を彼女に食べてもらおうとするが、その大切な銀杏をどこかで落としたことに気付く。しのぶ、あたる、ラムを説得して、夜中の友引町に銀杏探索にでる3人と1匹。しかしどこを探しても銀杏は見つからない。落ち込むキツネを慰めるしのぶ。そこへ空き地でテントを張って野宿している錯乱坊がやってきた。こたつネコが拾ってきた銀杏のおかゆがあるから、みんなに振舞うというのだ。最初は警戒していたあたる達だったが、キツネや、こたつネコが美味しそうに食べるをみて、彼らも一杯ずつもらうことにした。するといつのまにか彼らの姿はキツネになって・・・。
感想
(157話)
キツネ、第146話以来の再登場。冒頭の映画シーンはいかにもスタジオディーンらしいノスタルジィで溢れていた。キツネ自体がこういう雰囲気をもっているため、ディーンとの相性はばっちりのようだ。しのぶに会いに友引町にやってきたキツネが、バス停で佇むシーンがあったが、そこで並んでいる人の列の中に、原作者高橋留美子さんらしき女性の姿が・・・。どこに行こうとしてたんだろう。また、放課後の校舎でさくらを待つ温泉の場面があったが、こういった、さくらにモーションをかけようとする温泉マークの姿はアニメ独特のもの。原作では一応妻子持ちだったからね。この温泉による屋台での管を巻くシーンは結構好きだった。この冷酒が猛烈に美味そうだったし。しかし温泉、いくら太っているといっても、11月末に公園で寝るのは自殺行為に等しいぞ。キツネが枯葉をかけてくれなければ90%凍死していたものと思われる。キツネに感謝しなさい。このキツネ、変身能力は悲しいほどマスターされてないが、変身相手の口調を真似するのは結構上手だった。とくにさくら。この後、犬に襲われたキツネをこたつネコが助ける場面で前半が終わる。って、おい、あたるとラムは!?前半全然その姿を見せてないやないかっ。最近、二人とも影が薄いのう、とほほ。しかし後半から漸く二人が揃って姿をみせる。しかも結構仲睦まじ気に。このあたるとラムの真夜中焼き芋デートは、ほのぼのとしていて大好きだった。ジュースをねだるラムに、「しゃーねーな」とブツくされながらも金を出すあたるの行動も◎。自分の好みのジュースを指差しつつ「これーっ」とねだるラムの声が少し間抜けだったが・・・。そのラムが手をかざした自販機の中に、一つ奇妙なジュースが。その名も「炭酸いんりょう ぶつぶつじゅーす」。絶対飲みたくない。結局ラムが選んだジュースはオレンジジュースだったけど。メーカー名らしき「Yoshinaga」は、森永のパロディーか?あたるとラムに連れて行ってもらったしのぶの部屋において、キツネがラムに変身するのを見たあたるが、本物のラムをさして、「じゃあこれはだれだ?」と尋ねる場面で、一瞬ラムの目が点になっていた。この表情も結構間抜けで良い。そのラムに変身したキツネを、あたるが問い詰めるシーンで、諸星あたる、キツネラムの胸を小突きまくっていた。よりにもよって、なんちゅうとこを小突くんだてめーは!この後、真夜中にもかかわらず、彼ら三人は、キツネの命に従って銀杏を捜しに町に繰り出していた。温泉が管を巻いていた屋台が看板の時刻にである。つまり午前様って事か?彼らが補導されなかったのは僥倖(ぎょうこう)といってもいいだろう。銀杏探索中に、あたるがエロ本を見つけて喜んでいたが、その本のタイトルは「MOMOIRO」で、モデルはAKEMI 19歳。おお!めぞん一刻の朱美、学生時代こんなアルバイトをしていたのか?この後、ラムに睨まれたあたる、本を背後に隠していた。捨てなかったという事は持って帰った可能性大。ラスト、あたる、ラム、しのぶ、錯乱坊、こたつネコが銀杏の作用によってキツネに変身していたが、錯乱坊とこたつネコだけ全然に違和感なかった。この原作のエンディングに引き続いて、御伽噺(おとぎばなし)風のわずかなオリジナルエンディングがあるのだが、この町中の人がキツネになるというエンディングは画面に雰囲気が出ていて結構良かったように思う。しかしアニメのラストをみると丸で夢オチなのが気になるけど。今回の作画監督は前回のキツネ時と同様、遠藤氏。あれ?今回彼の名前のクレジットは昔通り「裕一」になっていた。しばらく「祐一」の期間があったのは何だったのだ?


第158話 おしゃべり花なんかどわいっきらい!
放送月日 1984.12.5
脚本 浅野佑美
演出 西村純二
原作 22-10
作画監督 林隆文
独断評価 ★★★☆
原画 西島克彦、服部一郎、門脇孝一、林隆文
小宮和枝(ラン)、鷲尾真知子(さくら)、池水通洋(温泉マーク)、田中真弓(竜之介)、安西正弘(竜之介の父)、西村知道(校長先生)、TARAKO(リューゲンビリア)
内容
(158話)
ラムの星の花、リューゲンビリアを栽培するランとであったラム。これは、恐ろしい機能を持っている花で、この花の近くで話した言葉は、花の花弁にのってあっという間に各地で繁殖し、その言葉を広めていくという。自分の悪口の流布にこれをつかうのではないかとの疑いをランに打ち明けるラム。しかしこれがヤブヘビになり、そんな気はなかったランが、花にラムの悪口を吹き込む。まけじとラムもランの悪口を。お互い噂を流すわけにいかない彼女たちはあっさり和解を成立。しかし、そこへ突如錯乱坊が登場。密封していた花をあっというまに友引町の空へ解き放ってしまう。慌てふためくラムとラン。このままでは二人のイメージを崩しかねない噂が友引町内に蔓延してしまう。必死になって飛び散った花弁を追う二人だが時すでに遅し。リューゲンビリアは友引町で大繁殖し、各地であらぬ誤解を生む種になってしまう。
感想
(158話)
まさにギャグ漫画の王道を行く爆笑編。冒頭、自分の噂を吹き込まれたラムが、仕返しにランの悪口を吹き込むシーンがあったが、あんな長い台詞、よく咄嗟に思いついてまくしたてたな(「ランちゃんは小学生のとき先生の怒られた腹いせに先生の大切な出べそに噛み付いて再起不能にしたっちゃ!」)。いくら後のストーリーに広がりを持たせることができるといっても、かなり無理があったぞ、あの台詞。あたるとしのぶが出会うシーンから西島氏による作画。しかしこの人、古くは野部駿夫氏、遠藤麻美嬢の作画監督から、遠藤裕一氏、そしてこの林隆文氏の作画監督まで、よく各人の絵にあわせた絵を描けるものである。全て、模倣だけでなく自分のテイストも入れてるし。この後、散布されたリューゲンビリアを、ラムとランが必死になって回収するシーンがあった。しかしラン、あんなガニ股で、更にあんな恐ろしい形相をして町中を闊歩していれば、リューゲンビリアの力を借りずとも、ブリっ子のイメージは地に落ちるぞ。牛丼屋における4人組の描写も爆笑もの。チビの足にひっついたリューゲンビリアの台詞、「小学生」が、チビにロリコンの烙印を押していた。しかしいかにリューゲンビリアのささやきがあったからゆーて、「小学生がたまんないんだよなぁ、あの青さが」とのたまっていたメガネの台詞は相当問題。てめーもロリコンの素質大である。当時は、ロリコンの意味がわからず相当混乱してしまった。ただ、ストーリーの流れから推察して、あまりいい意味ではなさそうだったので親には詳しく聞かなかった。よかった聞かなくて。また、この後の購買部のシーンで、竜之介の父が読む新聞に「プロジェクトA子」の広告が。って、おい、この映画はこれが放送された翌々年の86年の公開だぞ(監督、原作、脚本:西島克彦氏、作画監督森山ゆうじ氏)。すでにこの時点でラッシュが完成していたのだろうか?ちなみにこの映画、私はビデオで見たがめちゃくちゃ面白かった。おすすめっす。同じく購買部のシーンで原作者高橋留美子さんの作品「人魚の森」にでてくる人魚の姿が。人魚のなりそこない「半魚人」の顔が竜之介の父の顔に変わるところなって凝ってるなぁ。あれ?でもこれって85年当時公表されていたのだろうか?この点曖昧ですまないっす。更に同じく、購買部の部屋の壁に、竜之介がモデルを勤めた「おでんのことぶき」のパネルが(第114話「ドキュメント・ミス友引は誰だ!?」)。一応大切にとってるんですね。この後、公園の場面で、あたるとしのぶが体についたリューゲンビリアを必死で取ろうとするシーンがあった。あたるとしのぶと同じ種類のベンチに座るさまざまな人の中に、待ちぼうけを食わされて怒り心頭の女の人の姿が。よく見ると、なんとこれは高橋留美子さんの短編漫画「ザ・超女(スーパーギャル)」のヒロイン、マリス中尉ではないか!隣にはそのパートナー、きつね(?)のマーフィーもおるし。この二人の姿は、今回のLD鑑賞で初めて知った。いやぁ、まだまだ発見があるものですね。リューゲンビリアを求めて空中を闊歩するラム、大量の花弁を網に入れて「ナイスキャッチ!」と喜んでいた。そう言いつつ、2,3輪の花弁を逃してるところがいかにもラムらしくて面白い。また、今回通学用のヘリが故障していた面堂、ペットであるタコを利用したタコ車で通学していた。人一倍タコを愛する面堂がこのような乗り物に乗るとは・・・。所詮はペットか?しかし、この面堂のオネショエピソードは、テンポのよさがあいまって、原作に劣らず最高に面白い。その面堂の衝撃的発言を聞いてうずくまるしのぶの右方向に、なぜか原作者の高橋留美子さんの姿が・・・。彼氏らしき男とうつってるぞ、腕組んでるし。大量のリューゲンビリアを捕獲してランの家で休憩するラムとラン。そのリューゲンビリア回収アイテムのなかに、映画の看板が。その絵をよくみると、これもルーミックの短編「われら顔面仲間(フェイシャルパック)」らしき図柄が。はっきりとは分かりませんが。ラスト近く、リューゲンビリアの声に驚いて、二人がランのUFOから飛び出す直前のシーンから、ここも西島氏による作画に。この人のかくラムのなんとグラマーなことか・・・。校門前で迫りくる生徒を前にした校長の台詞、「不能はいやです・・・。」は、地味ながらおかしさを誘っていた。今回のエピソードは、珍しくラムとランが力をあわせるストーリー。更に珍しいことに、ラムの迫力がランを圧倒していた。しかし、こういった混乱に対してしらばっくれるラム、まさにラムらしいというか・・・。とにかく面白かった。さて、ここで問題が一つ。そう、リューゲンビリアの繁殖力とその繁殖方法である。冒頭、こたつネコにひっついた花弁、一瞬で一輪が16輪になっていた。その養分はどこから取ってきたのか?普通に考えれば、ひっついた人の体からであろう。一つの花弁の重さはどう軽く見積もっても0.5g程か?すると16輪だと8g。思い切り遅く見積もって5分に一度繁殖するとしたら、10分でなんと128g。これは効果的なダイエットだ!しかし気をつけよう。そのまま放置していたら、20分後には32kgにもなってしまう。しのぶの体重が45kgだとしたら20分後の体重はなんと13kg。3歳児並の体重。これはかなり健康に悪そうだ。やはり早いとこ抜いたほうがよさそうである。さらにおそろしいのはその繁殖面積。地球の表面積は約20億4000千万m2。リューゲンビリアの花弁の面積は直径が4cmとして12.56cm2。その差はなんと16×10の18乗。1,600万の一兆倍だ。これほどまで差が開いておれば安心のようにも思える。しかし。この花弁、一度に16倍に増えていた。するとわずか1時間30分後に地球はリューゲンビリアの花弁に埋め尽くされてしまうのである!!おそるべき繁殖スピード。この養分が地球から取られるのであらば、地球の運命は1日も持たない。なんという恐ろしい花、リューゲンビリア!ラン、君の無邪気な行動は万死に値するぞ!!


第159話 テンちゃんの息子誕生!?わいは知らんど
放送月日 1984.12.12
脚本 土屋斗紀男
演出 向後知一
原作 22-11
作画監督 加藤鏡子
独断評価 ★★★☆
原画 久米一成、高木弘樹、柳田儀明、原博、高峰よしえ
鷲尾真知子(さくら)、池水通洋(温泉マーク)、安西正弘(竜之介の父)、西村智博(宅急便のしんじ)、能村弘子、大城松美
内容
(159話)
今日も今日とて進歩のない喧嘩を繰り返す、あたるとテン。怒り心頭のあたるから部屋を追い出されてしまったテンは、ぶつぶつ文句をいいつつ夜空を浮遊する。そこへ光り輝く何かが墜落してきた。その物体は、いったんテンの前で止まった後、激しい勢いでテンの腹にくっついてしまった。よくみると何かの卵のようである。必死ではがそうとするテン。しかし何の作用が一向に取れる気配はない。途方にくれたテンは、さくらの元へと駆け込むが、さくらもそれが何であるのかがわからない。重たい体を引き摺りつつ夜の街を徘徊するテン。そこで鉢あったトラジマに金属バットでどつかれて、木の上までぶっ飛ばされてしまう。泣き疲れて木の上で寝入ってしまうテン。翌朝目が覚めると、卵は跡形もなく無くなっていた。大喜びするテン。しかし、卵の変わりに、彼そっくりの蜂が誕生していた事をしるテン。その蜂の子の、あまりの性悪さに閉口したテンは必死で彼のもとから逃げようとするが、テンを父親だと認識した蜂の子はどこまでも追いかけていく。進退窮まったテンは学校のラムに助けを求めに行くが・・・。
感想
(159話)
またまた抱腹絶倒の爆笑編。今回の作画監督は加藤鏡子さん。いやぁ彼女の絵は本当に丁寧で美しい。内容的にも原作に忠実で、全体的な話のテンポも申し分なかった。冒頭、真空の宇宙を疾走する宅急便のしんじ。また彼に勝負を挑む暴走族の連中。だから、真空中でマフラーや鉢巻をたなびかせるなっつーの!宇宙空間に浮かんでいる道路標識も非常識この上ない。しかしこの広大な宇宙において、、めちゃくちゃ微小な道路標識に激突するしんじ、恐るべき運の悪さである。しかも宇宙船ならば最低でも秒速何kmの世界だろう。そのスピードで静止する物体に激突するとは・・・。よくもまあ無事だったものである。そのとき落下した卵は、ものすごい勢いで大気圏に突入し燃え盛りながら地上へと落下していた。その一つがテンに引っ付いてしまった訳だが、あんな勢いで落下していたものが、テンに遭遇した途端、スピードを緩めていた。ま、あのスピードでぶつかったのであれば、それほどテンに衝撃はなかっただろう。ただ問題なのは熱である。大気圏突破、およびちじょうすれすれでの急ブレーキの為、相当空気摩擦があったはず。なのにまったく火傷をしなかったテン。あそうか、彼は自分で火を吐くくらいだから、それくらいの熱は平気なんだ!と納得していたら、そのすぐ後のシーンで、自分が出した炎に巻かれて悶絶していた。相当いい加減なやつである。この後の、さくらとテンのやり取り、「害はないじゃろ」「十分害になっとるわい!」は爆笑もの。しかしこんな真冬に裸同然で屋外で野宿するとは、結構たくましいのう、テン。ま、降りしきる雪の中でも平気で遊ぶくらいだから(原作7-6「テンちゃんの恋」及びアニメ第117話「旅の雪だるま情話」参照)、これくらいの寒さは問題ないのかもしれない。しかし、素直にあたるに謝って家に入れてもらえばよかったのに。テンの性格からするとやっぱ無理なんかなぁ?翌朝、卵からかえった蜂の子から逃げいてテン、よその家の郵便受に避難していた。新聞を取りにきた主人の顔を見ると、なんと「めぞん一刻」の響子さんの父親ではないか?するとここは響子さんの実家、千草家だったのか?しかし新聞を取りにきたのが父でよかったな。これが母の律子さんだったら、ぶっ飛ばされていたかもしれない。蜂に刺されて顔中腫らしたテン、公園の噴水で顔を冷やしていた。こらこら、股間から取り出したタオルで顔を拭くんじゃない!それはどうみてもオムツ用中敷だぞ!それからラム、テンが蜂の子につけた異常な名前、「根性曲がり」を素直に認めるんじゃない。語呂も悪いし呼びにくいったらありゃしない。また、体に卵があるため、机から離れずテンに逆襲していたあたる、机の中にバレーボールを入れるんじゃない!入れるのも出すのも相当苦労したと思われる。この後の、しんじから事情を聞いたテンの失神シーン、胸をはって卵をみせるあたる、面堂、メガネの姿、仲間がいる事を知って泣きながら大喜びする温泉の姿、同じく自分の卵の回収を命じる竜之介の父、錯乱坊の姿は最高に面白かった。これらの濃いメンバーが大挙して登場した後、教室は完全に焦土と化し、ほとんどの生徒が失神していた。その場面を注視してみると、ころんでスカートがはだけたラムの後ろにメガネの姿があるではないか!あのアングルだったら、メガネ、恋焦がれるラムのスカートをのぞく事ができたであろう。しかしそこはメガネである。相当の時間、彼の心の中で善と悪が戦いを見せ、全然意味のない理屈をこねつつ、自分の本能を抑えたことであろう。はたまた、相当無理のある理屈を捏ね、時間をかけてのぞく事を正当化したかもしれない。しかしその時には、生徒全員とっくに意識を取り戻していて、結局彼の望みもかなえられなかった可能性大。ラスト、宅急便のしんじが運転するバスのなかで、はしゃぎまくる、それぞれの蜂の子の姿は爆笑もの。この子供たちの描写が面白かったのは、それぞれのキャラの性格がしっかりと確立していたからだろう。しかしこの蜂の子、生まれてすぐ幼児並の知識をもっていた。テンの子供の場合、長く見積もっても生後8時間ほどしかたってなかったであろう。なのにすでに知能はテン並にあった。テンは容姿は2歳児なみだが、知識はどう低く見積もっても5歳児並であろう。すると、この蜂の子の知能指数は55万!一般に140を越すと天才と呼ばれる。あの仮面ライダーの本郷猛でさえ600なのに!その本郷猛の千倍近い知能指数をもった蜂の子「根性曲がり」。まさに人智を超えた天才児である。しかし、逆に考えると、こやつ、8時間で5歳児並に成長していることになる。すると人間でいう80まで生きたとしてもこいつらの寿命はわずか128時間!ラスト、テンの蜂の子が、あたる達の蜂の子に威張り散らしていたが、彼らの生まれた時差は最低でも10時間。つまりテン蜂はほかのやつらより6つは年上だったのだ。そりゃまぁ威張っても仕方ないか。それにしても寿命がたったの5日と8時間・・・。こら、宅急便のしんじ!いそがないと全滅だぞ!!


第160話 ラムの勇気ある決闘!勝利はせこい手で
放送月日 1984.12.19
脚本 柳川茂
演出 鈴木行
原作 23-1.2
作画監督 遠藤裕一
独断評価 ★★★
原画 青木康直、平田智浩、藤川太、西島克彦、門脇孝一、古橋一浩
富永みーな(桂木安奈)、鷲尾真知子(さくら)、田中真弓(竜之介)、安西正弘(竜之介の父)、西村智博(子分A)、西村知道(子分B)
内容
(160話)
不良に絡まれているところをラムに助けてもらった友引高校1年の桂木安奈。そこで、「勇気さえあれば超能力無しでも不良に勝てる」とラムに励ましてもらった安奈は感動して家に帰る。しかし彼女は翌日、ラムの言葉がどこまで本当なのか試すべく、仏滅高校の総番に、ラム名義の果たし状を送りつけてしまう。決闘の条件としてラムが超能力を使わないと明記して。安奈が「勇気」を信じることができるなら。そう思ったラムは、その総番との決闘を了承してしまう。超能力を使わないという条件を克服すべく、体力づくりに励むラム。しかしわずか2,3日の特訓で体に筋肉がつくはずもなく、なんの成果もあげられないまま決闘前夜を迎えてしまう。このままでは、安奈に勇気を教えることができないと悟ったラムは、密かに筋肉増強剤を懐に携えて決闘に臨むのであった。
感想
(160話)
おお!「めぞん一刻」こずえちゃん役で有名は富永みーなさんが第135話「弁天&竜之介 明日に向かって走れ!」に引き続き登場。しかし、この、桂木安奈を紹介する冒頭のモノローグがまた長いんだよな。こんなオリジナルで3分もとるというのはちょっと・・・。このモノローグ場面で、同じく「めぞん一刻」の五代似の男がしのぶそっくりの女性とともに登場。この五代似の男の声を、なんと二股一成氏が演じている。つまり本当の五代役の声優さんだ。この頃からすでに伏線をはっていたのか!(違う違う)その相手役のしのぶ似の女性の声は、竜之介役の田中真弓さんだった。この人、普通の女の人を演じるときは非常に可愛い声をだす。同じくモノローグ場面で、あたるを追いかえるラムが登場していた。あたるを捕まえた勢いで、公園の風船売りの風船を大空に飛ばしてしまっていたが、気にすることなくその場を去っていた。おいおい!弁償したれよ!商売道具なのに。なるほどセコイぞラム。尚、この時のラムの衣装はサンデーグラフィックHの表紙の衣装と全く同じ。なんかうれしかった。総番による安奈カツアゲの場面では、安奈、「アザラシ」発言ひつこすぎ。翌朝の学校の場面、面堂による「なんですって!超能力抜きの決闘!」と叫ぶシーンから、西島氏による作画。今度は遠藤裕一氏作画監督時の作画ですか。本当に芸達者ですね。この後、ラムの非力さを自覚させようと、あたるがラムと腕相撲をするシーンがあった。ラムには絶対負けないと確信したあたるがお金を賭けだすシーンは確かに面白かったが、多分、あたる、金だけの為に腕相撲をしたのではないだろう。ラムに決闘を思いとどまらせようという魂胆も会ったに違いない。ただ、それを直接言うには照れくさかったので、言葉にはださなかったのだろう。だから、あの賭けも、あたるの照れ隠しの一つなんじゃないかなと思ったりする。かいかぶりすぎか?同じくラムと腕相撲をし、電撃を浴びせられた面堂、床に倒れる瞬間、腹から半魚人らしき怪物を飛び出させていた。おいおい、何ちゅうものを腹に飼っているのだ?寄生虫よりも性質(たち)が悪いぞ。また、机を4つ背負ったしのぶを見るラムの表情がレアで◎。この後、ラムの特訓シーンが続くのであるが、ラムが諸星家の庭で特訓するときは、いつも傍にあたるがいた。漫画を読みながら、いかにも無関心を装っていたが、本当に無関心を装うなら、自分の部屋で漫画を読むはず。また、バーベルを持ち上げられなかったラムに対して即座に「失格!」という突っ込みを入れていたということは、逐一ラムの様子を見守っていたということだろう。やるじゃないか、諸星あたる!自分の特訓だけでは成果があがらないので、竜之介に喧嘩の極意を尋ねに行くシーンがあるが、この竜之介のウルトラマン変身シーンは相当寒かった。しかし結構仲がいいじゃねーか、竜之介親子。決闘当日の、ラムが筋肉増強剤を落として逃走するシーンから、またもや西島氏による作画。やっぱ、きれいだわ、この人の絵。この後の、ラムが薬を見つけて総番を吹っ飛ばすシーンには、一瞬だけ、「プロジェクトA子」らしき女性の姿が。こだわってますね、西島氏。疲労がたまっていくラムを面堂が助けるシーンは爆笑もの。さりげなくと言いつつ、大音声で自己紹介し、やられるときだけさりげなかったという描写は最高だった。ラスト近く、地中から飛び出した総番、なんて叫んでたのだ?「ラムさーん」に聞こえるのだが、総番がそんなこと叫ぶはずないしね。それにしてもこの筋肉増強剤の力は凄まじい。推定100kg程ある総番を、100m程もぶっ飛ばすことができたのだから。インパクトの衝撃は数十トンに及ぶ。仮に低く見積もって20tとしよう。するとラムの腕の筋肉は直径146cm・・・。腕まわりは458cm・・・。勘弁してくれ。劇場映画版第一作「オンリーユー」でロゼが変身した筋肉ラムでも相当眩暈(めまい)がしたのに、それを遥かに凌駕するラムの姿。頼むからおとなしく決闘に負けてくれとお願いしたい。。しかしなんだこのオチは?原作のままでよかったと思うのだが。とてもオチてなかったと思うのは私だけでしょうか?


第161話 就職大願望!帰ってきた抜け忍かえで!!
放送月日 1985.1.9
脚本 柳川茂
演出 西村純二
原作 オリジナル
作画監督 林隆文
独断評価 ★★
原画 河南正昭、富田悦子、古橋一浩、林隆文
三田ゆう子(かえで)、京田尚子(やつで)、小山茉美(了子)、西村智博(草A)、島田敏、大塚智子、大城松美
内容
(161話)
厳しい忍者社会から、おのれの青春を取り戻すべく脱出した九の一かえで。しかし、師匠である、やつで、それからチビ忍者たちが、かえでに制裁を下すべく彼女を追跡し始める。かえでが逃げた場所は友引町。そこで行き倒れたかえでは偶然面堂と再会。彼の家で厚い介護を受ける。忍者以外の職を熱望するかえでに対し、面堂は自分の私設ボディガードとして雇うことにする。しかしそこに了子の横槍が入った。たとえ面堂終太郎個人のボディガードであろうと、家族の承認なしの雇用は不可能だとし、両親から委任状をもらって、かえでの就職試験を行うことにする。決められた時間に、友引高校に侵入し、打ち上げ花火をあげることができれば、彼女の就職は決定するのだが、そこまでの道に様々な罠が。更には、友引町にすむ、隠れ忍者、「草」の妨害も入って・・・。
感想
(161話)
抜け忍かえでだと?何年ぶりの登場だ?と調べてみると、前回登場はなんと昭和57年4月2日。実に2年と9ヶ月ぶり。何というブランク。そんなキャラをオリジナルに使うなんて・・・。しかしこのチビ忍、いつ見ても「いしいひさいち氏」の漫画を髣髴とさせるなぁ。道端で行き倒れていたかえでを面堂が発見する場面において、面堂「かえでさんではないですか!」と叫んでいた。3年近く前に、ほんの一瞬だけ出会ったかえでを良くぞここまで覚えていたな、終太郎。さすが女性の事となると諸星あたるにヒケをとらない。面堂邸における、終太郎シューティングシーンは、第102話「面堂家サマークリスマス」を髣髴とさせていた。そういや作画監督も「サマークリスマス」と同じ林隆文氏。よほどこういうシーンが好きなんでしょうね。終太郎が了子の嫌がらせを思い出すシーンにおいて、接着剤入りの歯磨き粉で歯を磨く終太郎の姿があった。口に入れてから実に6秒。接着剤が完全に凝固するまでに気づけよ!!この後、面堂邸にあたるが登場するシーンでは、やはりあたるの声はひしゃげていた。やっぱり作画監督が林氏のときは、顔がへしゃげてるから、声も自然にへしゃげるんだろうねぇ。この場面における、あたるの「かえでちゃんとの結婚の準備」発言、かえでを見た了子の「お兄様の新しい愛人では!?」発言、了子の変わり身の早さにずっこけるあたる、ラム、面堂の姿、全てがサムかった・・・。いつもと違って全てがこてこてのギャグだったからだろうか?また、かえでがチビ忍を巻くため、きんとんの術を使い、小銭を放り投げるシーンがあったが、それくらいの金があるのなら、何も三日間断食せんでも良かったのにと思うのは私だけ?直後の、栗きんとんを使った「きんとんの術」は更に更にサムかった。やつでが放り投げた発煙筒をみた一般住民のなかに、「めぞん一刻」の一の瀬夫人発見。スタジオディーン、「めぞん」の仕事をアピールしていたのだろうか?この後の、八百正の源を演じる千葉繁氏(メガネ役)の「あはははどこへ行く?」だけ、唯一笑えた。ラスト近く、かえでとやつでが激突する場面では、ナレーションやスローモーションを使い、結構物々しい雰囲気を作り上げていた。そこまでしたのに、決着の仕方が曖昧で、なんでやつでが負けたのか全く説明がなかった。片手落ちもいいところである。ラスト、稲妻落としを喰らい、落下するかえで、豆腐屋の辰とあたる。その滞空時間はなんと21秒43。落下開始地点は2161mだぁ?いくらなんでもそれはないだろう。二階建て友引高校の時計台部分はだいたい高さ16m。すると落下時間はわずか1.8秒。この1.8秒の間に、豆腐屋の辰は自己紹介と、技紹介を行っていた。彼の「待っていたぞかえで」という台詞の所要時間は1.29秒。しかしこれは21.43秒バージョン時の長さである。現実の時間1.8に当てはまればその時間実に0.1秒。ラムや面堂にはテープの早回しの如く高い声で聞こえたことであろう。威厳の無いことおびただしい。しかし全体的にみても、ここまで秀作が揃っていた分、かなりきつい作品である。折角のオリジナルなのになぁ。ラムもあたるも全くいいところ無し。まさしくとほほであった。


第162話 友引高校サバイバル!生き残るの誰だ!!
放送月日 1985.1.16
脚本 井上敏樹
演出 吉永尚之
原作 17-5
作画監督 遠藤裕一
独断評価 ★★
原画 服部一郎、門脇孝一、古橋一浩、吉永尚之
古谷徹(園芸部トシちゃん)、池水通洋(温泉マーク)、鈴木清信(園芸部)、伊沢弘(園芸部)、能村弘子、石田光子
内容
(162話)
放課後、園芸部の温室前でビニ本鑑賞にひたる、あたると4人組。そこへ退屈をもてあましたテンが登場。テンにビニ本を見られまいとガードをかためる5人。何を隠してるのか見たいテンは、次第にしびれを切らし、炎を彼らに浴びせ掛ける。しかし、炎は彼らをそれ、温室に直撃。あっという間にビニールハウスは全焼してしまう。目の前で自分たちが丹精をこめて育ててきたトマトが焼けていくのを目撃した園芸部3人組、トシちゃん、マッチ、ヨッちゃんは、愕然とする。一人燃え盛る温室に駆け込むトシちゃん。なんとか3つのトマトだけ救出する事に成功した。温室全焼のお仕置きに、テンを顔だけ残して地中にうめるあたると4人組。この生き埋めを根に持ったテンは、翌日友引高校自体を地中に沈めて、彼らに復讐を果たすのだが・・・。
感想
(162話)
おお!あの古谷徹氏がうる星初登場!氏は巨人の星の「星飛雄馬」役や、ガンダム「アムロ」役等ですでに超有名であった。この後、第215話の電飾魔境の「真吾」役で再び登場する。しかしやはり超ベテラン、すばらしい演技。特に、時代錯誤な青年のひたむきさが力いっぱい表現されていた。温泉に対して「先生っコンペイトウではありませんっ!」と真摯に叫ぶシーンや、燃え盛る温室に向かって、トマトの名前を絶叫するシーン等はまさに氏の面目躍如。しかしトマトになんちゅー名をつけてるのだ、こいつらは。全て列挙すると、「聖子」「伊代」「ちえみ」「郁恵」「芳恵」「今日子」「明菜」「順子」「久美子」。それぞれ、松田聖子、松本伊代、堀ちえみ、榊原郁恵、柏原芳恵、小泉今日子、中森明菜、三原順子、大場久美子をさすのであろう。全て往年のアイドルたち。いまでも最前線にいるのは小泉今日子くらいか?トマトの言葉を代返する彼の言葉、「熱いよトシチャン」、「助けてトシちゃん」のリズムはまさしく名人芸。最高におかしかった。何とか助けることができた「今日子」「芳恵」「聖子」の残された三つのトマトを必死で抱きしめる彼の姿も大げさに描かれていて◎。ちなみにあたる達が読んでいたビニ本のタイトルは「MONZETU(悶絶?)」で、一瞬写ったページには、行水する響子さんの姿が・・・。テンがあたる達に復讐する為使ったマシーンは「ポータブル質量変換器」。なんちゅうもんをつくるのだ、テン!質量が変わるということは物質が変わるということ。いまだ人類は気体の物質変化さえままならぬのに、固体の質量を変化させてしまうとは。唯一考えられるのは、友引高校校舎に、想像を絶する圧力が加えられたという事。校舎内にいる生徒たちの命の保証は全くない。こんな最終兵器のような恐怖のマシーンが、「良い子の組み立てキット」で作ることができようとは。それより何よりも驚かされたのは、そのようなマシーンが電池二個で動いているという事実。どうみても単一電池だぞありゃ。この校舎埋没がテンの仕業と分かった途端、面堂は「どうやら我々は君らの低次元の喧嘩に巻き込まれたようだ」とあたるを攻めていた。その面堂の隣には同じく仁王立ちしてあたるを非難の目でみる4人組の姿が。おまえらもあたると同罪だろうが!なに責任転嫁をしてるのだ。さらにその責任を園芸部員になすりつけるあたる。今回のあたるは全然男らしくなくてかっこ悪い。原作ではこんなイヤな奴ではないのになぁ。かなり性格がディフォルメされている。しかし、園芸三人組。こんな奴2年4組にいたっけか?この後のサバイバルシーンからアニメオリジナル。焼け残った三つのトマトを他の生徒から守るべく部室に閉じこもる園芸3人組。それぞれ、「今日子」「明菜」とトマトに呼びかけていた。って、おい、「明菜」は昨日焼死しただろうが!!精魂込めて作ったトマトの名前を間違えるとは・・・。また、教室をでるあたるに向かって、ラムが「このゲームウォッチ貸して欲しいっちゃ」と叫んでいた。おお。懐かしいゲームウォッチ。ゲームボーイより一回り小さかった、時計機能を持つゲーム。一個につき一個のゲームしかできなかったゲームウォッチ。確か一個1,980円くらいやったけ?「オクトバシー」とかあったよなぁ。ちなみにゲームウォッチの製作会社は、ファミコン、ゲームボーイでおなじみ任天堂でした。この後、園芸部員にどつかれ失神した面堂をみて、「よくも面堂を!」と叫んでいた。普段のあたるからは決して聞けない台詞である。更にこの後、落ちていたメガネの「眼鏡」を拾ったあたるの「メガネの眼鏡じゃないか」とつぶやくシーンは、何故かおかしかった。天井から血を流しつつ吊るされた4人組のシーンは、第98話「そして誰もいなくなったっちゃ!?」を髣髴とさせるシーンだったが、クオリティー的にはどうも・・・。ラスト、ラムが自分でつくった質量変換器を連打するシーンは、いかにも彼女らしくておかしかった。ただしあのオチは・・・。真っ赤な夕日をトマトと間違えてほえるトシちゃんの姿はそれなりに哀愁を漂わしてはいたが、どうも全体的なストーリーの質はそれほど高くなかったような気がする。ギャグにせよ、ホラーにせよどちらとも不完全燃焼だった。


第163話 謎の巨大ケーキ!恋の逃避行パニック!!
放送月日 1985.1.23
脚本 柳川茂
演出 須田裕美子
原作 21-1、20-1.2
作画監督 加藤鏡子
独断評価 ★★★
原画 高木弘樹、原博、高峰よしえ、きくち通隆、スタジオ三四郎
小山茉美(了子)、島田敏(水乃小路飛麿)、田中真弓(竜之介)、鷲尾真知子(さくら)
内容
(163話)
面堂家の盛大な新年パーティに参加するお馴染み2年4組の面々。そこに了子からの雑煮の差し入れが。終太郎からこの新年パーティ開催を知らされてなかった了子が、腹いせに水乃小路飛麿と結婚するという手紙が同封されていた。了子を飛麿にとられてなるものかと憤る終太郎と諸星あたる。どうやら了子と飛麿はこの建物の屋上にいるようだ。実はこの建物、終太郎の発案で作られた鏡餅の形をした巨大なケーキ。メンバー全員は、了子によって仕掛けられた地雷を乗り越え、ケーキを食べつつ屋上へと向かう。そこには、了子からのラブレターを、終太郎からの果たし状と勘違いした飛麿の姿があった・・・。
感想
(163話)
原作3話分をまとめている為、非常に原作に忠実。ただ、全然関係のない話を混ぜ合わせている為(巨大ケーキ、飛麿と了子の結婚)、かなり話に無理がある。冒頭パーティ会場でパーマが頬張っている肉が、いかにも漫画的肉で非常にうまそう。さらにあたるがかぶりついている肉もまたボリュームがあってうまそう。昔から、こういうのを見ると異常に食欲が湧くんだよね。巨大ケーキを食い荒らす、トンちゃんやあたるの姿は、まるで往年の大ヒットゲーム「ディグダグ」そのもの。トンちゃんを出し抜いて、自分が了子と結婚しようとするあたる、及びそれにつっこむラムと面堂のシーンはなぜか白々しくてサムかった。周りが地雷で囲まれていると知ったあたる達の前で、錯乱坊がクラッカーを鳴らしていたが、その爆発音に驚いて、おどけた格好をするさくらの後ろ姿に、若干の恥じらいあり。他のメンバーに比べて非常にぎこちなかった。また、飛麿との決闘シーンで、面堂の刀は飛麿のチョコレート製斧に対して、一瞬その動きを止めていた。チョコレートに対して歯詰まりをする面堂の刀って・・・。そうとうしょぼそうである。ラスト、了子によって破壊される巨大ケーキの姿、及びそこから発射された巨大花火の姿は、第102話「面堂家サマークリスマス」を髣髴とさせていた。今回の作画はご存知、加藤鏡子さん。今回もまた非常に丁寧で美しい作画である。着物姿のラムの髪型がやや異様だったが・・・。話的にも、始めに書いたように非常に原作に忠実なのだが、なにせ3話分。いろんなエッセンスを盛り込みすぎてややまとまりに欠けた感あり。特に了子と飛麿の結婚騒動は、原作でも2話分あるので、これだけでアニメ一作分として欲しかった。尚、今回もスタッフによる遊びが随所に見られる。まず、トンちゃんの回想シーンで、「打倒終ちゃん!」と叫んでサンドバッグを殴る瞬間、「ちにゃ」「あた」の文字が。そのサンドバッグが戻ってきてトンちゃんに激突する瞬間に「ポップコーン ばくはつおと吉」の文字の入った箱の絵が。同じく回想シーン、トンちゃんが大木に蹴りを入れた瞬間、「パキ」の文字が。さらに、ラスト近く、巨大ケーキに埋められた地雷の起爆装置が作動したと知った終太郎の背後に「おっとびっくり!」の文字が。また、今回、了子が意外な怪力を発揮。後半、終太郎に襲われるトンちゃんに了子は巨大な斧を振り回して援護していた。この斧の重さはどうみて5kgはあるだろう。そして綱の支点から、斧の先端までの距離は180cmほど。回転速度はストップウォッチで図ってみると一分間に72.3回転ほどだった。するとここから求められる回転する斧にかかるGは11。すなわち回転時の斧の重さは55kg。普通の女性が同じようなシチュエーションでまわした場合、両肩の脱臼は免れまい。しかしこのうる星の世界ではあまり大したことではないな。ま、しのぶやさくらに比べるとどうしても見劣りしてしまうのは仕方なきことか?


第164話 魔境転生!ダーリンはなに考えてるっちゃ!?
放送月日 1985.1.30
脚本 井上敏樹
演出 西村純二
原作 2-2
作画監督 林隆文
独断評価 ★★★
原画 河南正昭、富田悦子、大原一男、林隆文
北村弘一(あんずの祖父)、西村智博(パイロット、佐助爺)、島田敏、伊沢弘、塩谷浩二、能村弘子、大城まつみ
内容
(164話)
旧正月を、面堂家が誇るテーマパーク「オクトパシーランド」で過ごそうとした、面堂、しのぶ、あたる、ラムの一行。その彼ら4人を乗せたB29が航行途中ガス欠を起こし、パイロットによって4人は機外に追い出されてしまう。謎の島に着地したあたる達一行。そこで古風で可憐な美少女、あんずに出会う。あんずの案内で彼女の家にやってきたあたる達。そこであんずの祖父と面会。その面談中、柱時計が12時を打った。途端に飛び上がり家の梁に身を潜めるあんずとあんずの祖父。その彼らの不可解な行動に訝しがった直後、突如床からたけのこが生えてきた。大量のたけのこはあんずの家をあばら家同然に変えてしまう。この尋常ならざる現象に対してあんずの祖父に説明を求めるも、要領の得ない答えをするのみ。すると今度は佐助爺が毒を食ったとの情報が。途端にたけのこは姿を消し、村の様相は時代劇調に一変。この異常な現象は、毒を食べて死んでしまった人間の想念が現実化した物であることを知らされるあたる達。佐助爺はチャンバラが好きだった為、このような現象を生み出したのだ。呆然とこの現象を見つめ続けるあたる、ラム、面堂、しのぶ。暫くすると、彼らの周りを取り巻く現象にまた変化が。こんどはオカルト調の雰囲気が漂い始めた。現れた化け物から必死で逃げるあたる達。命からがらあんずの家に逃げ込むと、そこには、毒を喰らって絶命したあんずの姿が。平然とするあんずの祖父。なぜなら、毒を食べて絶命しても、次に毒を食べたものが出た時点が復活できるからだ。あんずの世界が繰り広げる中、祖父は、あたる達にも、村の掟に従うよう勧告する。つまり、新種のきのこの毒見役をおおせつかることである。意を決して、それぞれのきのこを咀嚼するあたる達。ラム、面堂、しのぶはそのきのこのうまさと、自分のきのこに毒がなかった事実に喜びをかんじるが、あたる一人が動かない。そう、あたるのきのこは毒キノコだったのだ。突然体を光らせて絶命する諸星あたる。同時に、村には彼の想念の結晶ともいえるおぞましくも能天気な世界が広がり始めるのだった・・・。
感想
(164話)

一応該当する原作はあるものの殆どがアニメのオリジナル。しかしさすが面堂財閥、B29のコレクションがあるとは。偶然、太平洋戦史を読んでいた私にとってこの場面が不謹慎極まりなく感じたのは無理からぬことであろう。今回も面堂、ラムとしのぶだけを誘おうとしていたようだが、だいたいあたる抜きでラムだけ誘って、ラムがほいほいついてくると思ったのだろうか?あいかわらず思慮が浅い!しかしこの面堂妄想シーンにおけるジェットコースターの彼の顔のしまりの無いこと・・・。まるで別人である。この後、B29、ガス欠で墜落していった。行き先までの燃料を給油していないクルーもクルーだが、エンプティー(ガス欠)直前まで気がつかなかったパイロット二人、てめえら本当にライセンスをもっているのか!? 少しでも機を安定させようとしたパイロット、諸星あたるを機外に放り出していた。そのパイロットの行動に驚いたラム、「何するっちゃ!」と激怒していた。そしてパイロットの口からガス欠の状態を知った彼女は、慌ててあたるを助けに飛び降りていった。その間約8秒。すでにあたるは300m以上落下していたものと思われる。パイロットを問い詰めている暇があったらソッコー助けにいかんかいっラム!幸いあたるにはパラシュートが装着されていたからよかったものの。全員を機外に放り出したパイロット二人による、武器のエスカレート振りは爆笑ものだった。しかし、開け放たれた扉の前にあれほどの近さで立ってたら、確実にこいつらも機外に放り出されるはずなのだが。ものすごい摩擦力をもった靴を履いていた可能性が強い。大体バズーカー砲を常に携帯しているこいつらはかなりの危険人物といえよう。島に落下したあたると面堂による、主従関係入れ替わり立ち代りシーンも爆笑ものだった。特にトランシーバーの故障にあせる面堂のとぼけた表情、しゃべり方は申し分なし。あんずに襲い掛かろうとした面堂に対して、しのぶが無言で指を鳴らしていた。こらこら、そんなことしてたら指の関節が太くなってしまうぞ。そのしのぶから卍固めをくらう面堂、「あべし」と叫んでいた。おいおい、きみはケンシロウだろうが・・・。敵役の台詞を取ってどうする・・・(「北斗の拳」のケンシロウ役声優は面堂役と同じ神谷明氏)。また、あんずの家で、巨大なたけのこが数々突出してくるシーンがあったが、あんなに巨大になってしまったらもう食えんぞ。硬くなりすぎて。だいたい、地面から出ている部分をのこぎりで切ってどうする!!地面から出たか出てないうちのたけのこを、根元から鍬(くわ)で掘り起こすのが一番美味いのに。嫁がたけのこ山をもっているdeaconからの忠告でした。この後、新種のきのこを発見したあんずが、味見するシーンがあったが、咀嚼してわずか数秒で苦しみ始め、即、絶命していた。おそるべき即効性、青酸なみである。ラスト近く、あたるが毒キノコを食べて、あたるの想念が現実化したところから漸く原作をベースにした話が始まる。しかし時間にしてわずか2分30秒。番組の90%近くがオリジナルだったわけだ。しかし、この原作部分にでてくる生物に対するネーミングは、SF作家筒井康隆氏による「メタモルフォセス群島」「ポルノ惑星のサルモネラ人間(文庫『宇宙衛星博覧会』より)」を髣髴とさせる(のぶりんの本棚「筒井康隆の項参照)。この2作品にでてくる「初見」という人物が、同様に「ヒトデ梨」「ロクデ梨」等のネーミングをつけている。当時、漫画においてあたるの本棚に筒井氏の作品が良く見られたということは、当然高橋留美子さんも筒井氏の作品をよく読んでいたということであろう。高橋さんがこの2作品を読んでいた確立は非常に高い。この作品に彼女が触発されたと想定しても無理はないだろう。このあたるが作り出した「うつり木」に抱きつかれたラム、一瞬だけ物凄い面相になっていた。ついに彼女も作画監督林隆文氏の「顔面変形」の毒牙にかかってしまったか・・・。ラスト、この島の俯瞰図が画面に映し出され、この村と「オクトパシーランド」が同じ島にあることが判明するのだが、面堂、B29から落下するときに気付かなかったのか!?ラム、あたる、しのぶ、以下同文。しかしこの原作をベースにオリジナルをつくるなら、このあたるの世界をより深く解釈したオリジナルも見たかった。


第165話 お芝居パニック!面堂家花見のうたげ!!
放送月日 1985.2.6
脚本 土屋斗紀男
演出 鈴木行
原作 22-5
作画監督 遠藤裕一
独断評価 ★★★☆
原画 門脇功一、服部一郎、中島敦子、加藤義貴
田中真弓(竜之介)、池水通洋(温泉マーク)、島田敏、伊沢弘、西村智博、能村弘子、菅原正志
内容
(165話)
雪が降り積もる真冬の友引高校。そんな季節に、面堂が花見を提案した。面堂家が誇る5000m2の温室で、いままさに散らんとする桜を見ようと。その温室に招待された、あたる、ラム、しのぶ、竜之介、4人組等は、ラムの星のジュースに酔っ払い始める。花見にかこつけて、酒を飲むのではないかと後をつけてきた温泉は、そのラムの星の飲み物を発見し、中味をチェックする。ラムの言うように、それは確かに酒ではなかった。しかし酒を飲んだときと同じような酔いを感じ始める温泉マーク。それ以前より飲み続けているあたる達はすでに酩酊状態だ。さすがにおかしいと思ったラムが説明書を読むと、このジュース、地球人にとっては劇薬であることが判明。酒に酔ったような症状の後に、劇を始める作用があるのだ。その説明を聞いて愕然とする温泉の目の前にはすでに舞台の準備が。時代劇の扮装をしたあたる達が猿芝居を始めて…。
感想
(165話)
冒頭の雪を見るしのぶの表情や、窓をあけて自分の家の豪華温室を誇る面堂の表情が妖艶。てっきり休み時間のエピソードかと思いきや、生徒に背を向けて「授業中だというのに」という温泉の姿には笑ってしまった。その面堂を見るラム、及びそのスカートをのぞこうとするチビ、及びそのチビに突っ込みを入れるメガネ、及び泣きながらあたるに詫びを入れるチビ、更にそのチビにさして怒りもしないあたる、それぞれの動きが非常に良かった。面堂家温室シーンでは、温泉による久しぶりの長口舌シーンが。スタジオディーンになってしばらく日陰に甘んじていた温泉、久しぶりの活躍の場を与えられ、しゃべることしゃべること。あたる達が酩酊をし始めたことを不審に思ったラムが説明書を読むシーンがあったが、そういう大事な説明書は最初に読まんかいっ!とりあえず使ってみて不具合が生じてから漸く説明書を読むなんざ、うちの嫁そのものである。この後、あたる達による芝居が始まるのだが、ウエスタン調の舞台劇はオリジナル。全編、平易な英語による台詞によって構成されていたが、視聴者が小学生の場合パニックに陥っていた可能性大。特に、「Murder is Tsujigiri!(殺人者は辻斬りだ!)」と叫ぶところなんか、中二程度の英語力がないとわからないのとちゃうか?しかしこの場面におけるノーテンキなカントリー調のBGMはいい味を出していた。この猿芝居を見ていたラム、自分は全然酔っ払ってないので一人退屈にしていたが、梅干入りオニギリを食べた途端酔っ払いはじめ、劇に参加していた。ラムが食べていたオニギリの場所は三角型の端っこ部分。あんな所にすでに梅があったということは、オニギリの80%は梅干で埋められていたものと思われる。この後、竜之介を男呼ばわりした面堂、竜之介にぶっ飛ばされていた。その滞空時間およそ14.95秒。初速263km/hでぶち上げられた後、上空550mまで上昇し、あたるの頭に落下したものと思われる。両者恐るべき石頭。この他、しのぶによるゾンビのパロディーの場面があったが、その舞台装置の墓の内の一つの墓碑銘が「S・MENDO」となっていた。やはり先ほどの頭蓋骨強打で逝ってしまったのか?また、チビ、カクガリにおける時代劇の定番「それは言わない約束でしょ」芝居は爆笑物。チビが非常にいい味を出していた。似合うじゃねえか、貧乏長屋の娘姿。しかしこの場面の植木等のパロディー(「お呼びでない?」)はいただけなかった。誰もしらんだろ!このうる星世代の人は。その植木等に対するカクガリ、チビのリアクションも、いにしえのコントを髣髴とさせる寒いリアクションだったし。この後、ジュースの酔いが切れた面堂達は素面(しらふ)に戻るのだが、いつのまにか屋敷を飛び出して公衆の面前で芝居をしていたことに気付いた面堂のリアクションが爆笑ものだった。今回は、結構原作に忠実。原作の内容がこういったお芝居ものだったせいか、オリジナル部分が結構自由に、そして自然に作られていたように思える。そして何より今回は絵が綺麗っ!感動するほど美しかった。この後エンディングのクレジットを見て納得。今回作画に中島敦子さんの名が初クレジットされていた。確かこの人、めぞんの作画監督もこなしてなかったっけ?むかしめぞんの本放送時、この人の作画監督作品を楽しみに待っていた記憶がある。それにこの中島氏は、LDのジャケットにも数々のすぐれたイラストを提供している。ま、基本的には好みの問題なのでしょうが、私は彼女の絵が昔から大好きだった。ちなみに、今回、彼女が担当したと思われる作画場面は、冒頭の教室シーンから、花見における劇が始まる直前シーンまで、さらに退屈そうにオニギリを頬張るラムのシーンあたりか?


第166話 春遠からじ!さびしがり屋の妖精物語!!
放送月日 1985.2.13
脚本 島田満
演出 吉永尚之
原作 オリジナル
作画監督 伊達真紅郎
独断評価 ★★★★☆
原画 青木康直、平田智浩、藤川太、菊池由行、山田展彦、犬田一、うつのみやさとる、丸山政次、川口幸治
池水通洋(温泉マーク)、高田由美(冬の妖精?)、西村智博(こたつネコ)、松井菜桜子、能村弘子、柿沼紫乃
内容
(166話)
珍しくラムとデートの約束をしたあたる。更に珍しく、約束の時間に待ち合わせの場所にやってきたあたる。しかし、彼は前日待ち合わせの時間を一時間遅らせた事をすっかり忘れていた。きっかり本当の約束の時間10分前にやってきたラム。しかしあたるは、ラムが50分も遅刻をしたと勘違い、その50分の間にあった様々な不幸な事件も重なって、ラムに怒鳴りつけた後さっさとその場を離れていってしまった。そこから気まずくなる二人の仲。翌日の学校でもお互いぎこちない態度をとってしまう。その二人の様子をいち早く察知したしのぶは、ラムから喧嘩の事情を聞き、「あやまっちゃだめよ!」と忠告を入れる。時には突き放さなければあたるの身勝手さは直らないというのが、彼女の考えだ。後ろ髪を引かれる思いをしながらもしばらくあたるから遠ざかるラム。そのラムの態度にあたるは更に怒りを募らせ、寂寞とした感情に覆われてしまう。そこで出会った一人の不思議な少女。ラムへのあてつけの為、彼女とのデートの約束を取り付け、喜びいさんで家に帰ってくるあたる。しおらしくするラムを完全に無視するあたる。そして翌日。猛吹雪の中、あたるは不思議な少女との待ち合わせ場所へと急ぐ。いつのまにか人気のない場所に導かれているあたる。実は彼女は冬の妖精だった。ラムとの喧嘩によって心にぽっかり穴があいたあたるの気分と、冬の国の波長がぴったりとあってしまったのだ。全てのあたるの記憶を奪って、彼を冬の国へ誘う妖精。今までの様々な記憶があたるの頭の中に走馬灯のように巡っていく。そしてその中に、おとといのラムとの約束した時の記憶もよみがえってきた。そして自分が時間を間違えていたことに気付くあたる。もう彼の目に冬の妖精は映っていない。晴れ晴れとした表情でラムに会いにいくあたる。仲直りをした二人のほほえましい姿に、思わず微笑を浮かべる冬の妖精。彼女が生まれて始めて笑った瞬間、冬の妖精は春の妖精へとその姿を変えていくのであった。
感想
(166話)
うおおおおおお!懐かしい!!本放送時の印象が非常に強く、そして大好きだった。全体的に流れるうそ寒い冬の雰囲気が、非常に物語にマッチしていた。まさに「冬!」を前面に出していたストーリーで、その効果は十分に出ていたと思う。特に柔剣道場における真冬の剣道や、いてつく教室での放課後の掃除なんかは、ギャグシーンがふんだんにあったにもかかわらず、何故か冬の淋しさを醸し出していた。放課後の教室で、面堂、4人組に冬の妖精の話を聞かせるしのぶの雰囲気がまた素晴らしかった。また、誰もいないあたるの部屋で、あたるのシャツを持ち、セーラー服のまま淋しげに正座するラムの表情も素晴らしかった。そしてなにより、ラストの自分の部屋に帰ってきてラムと顔をあわせたときのあたるの表情が…。いやぁ本当に傑作だったなぁ。
 冒頭、またもや授業中、自分の世界に入っていくあたるに対しての、「授業中に雰囲気をださんでくれんか?」と注意する温泉の控えめな態度が笑えた。今回、体育の授業で、久しぶりに温泉以外の先生が登場。しかし地味な顔である。声を担当するのはあたるの母親役の佐久間なつみさん。その体育の授業で、面堂と剣道の試合をするあたる。いくら練習試合だからといっても、「面」くらいつけんかいっ!たかが竹刀といえど、あんな上空から力の限りたたき付けられたら、軽傷じゃすまんぞ。げんにあのあたるが気絶するくらいだったのだから。面堂に若干の殺意があったと思われても仕方がない。この後、昏倒したあたるによる回想シーンが始まる。しかしあたる、時間を間違えていたとは言え、ちゃんと約束の時間に待ち合わせの場所にいたというのが凄い!しかし第215話の電飾魔境では一時間くらい遅刻していた。よっぽど懲りたらしいな、今回の事件で。目が覚めたあたる、自分の部屋で寝ていることに気付く。そして母親の言葉も耳にせず、そのまま町に出て行く。って、ジャージの上からコートを着るんじゃない!と思ってたら次の町の場面では、コートの下に普段着を着ていた。やはり恥ずかしいのか、一度家に帰ったと見える。冬の妖精にあったあたる、家に戻ってから、あてつけのように、ラムを無視していた。しかしこの場面は辛過ぎる。ラムがいつも以上にしおらしい為、あたるの態度がより一層冷たく見えてしまうのだ。大人気ないぞあたる。翌日の授業中にて早弁をし、再び授業妨害をするあたる。一番前の席で早弁するなんて温泉に対する挑戦としか思えん。更にのどに詰まったおかずを必死でストーブのやかんで流し込もうと四苦八苦するあたるの後ろの温泉の表情が最高に面白い。ここでもあたるに対して下手にでる温泉。もうあきらめモードが入ってます。この後、あたるが冬の妖精にあって冬の国のことを聞くシーンがあった。彼女によると冬の国とは、この世のものとは思われないほど美しく、全ての記憶が失われていく世界。つまり死後の世界のことか?おっかねーな。同じ時間、あたるの部屋で、一人キングジョーのブリキのおもちゃで遊ぶラムの姿が非常にいじらしかった。自分の過ちに気付いたあたるが、急遽Uターンして我が家に戻るシーンとそのBGMが非常に印象的。最初にも書いたが、このあとの、ラムとの再会シーンで見せた彼の笑顔のなんと素晴らしいことか。そしてその二人の姿をみて微笑む冬の妖精の表情のなんと素晴らしいことか。しのぶによると、微笑を覚えた冬の妖精はそこで晴れて春の妖精になるという。ちょっと待て。四季は一年ごとに訪れる。すると、かれら妖精の命はわずか一年なのか?同じ妖精が再び冬の妖精になるとも思えんし。結構過酷な運命である。それにしても今回の話は良かった。当時中学一年の筆者は、この物語を見終わった後、いいようもしれない和やかに気分になった記憶がある。


第167話 夢の中へ!ダーリン争奪バトルロイヤル
放送月日 1985.2.20
脚本 柳川茂
演出 向後知一
原作 25-1.2
作画監督 加藤鏡子
独断評価 ★★★☆
原画 高木弘樹、原博、高峰由恵、みうらさとし(作画協力亜細亜堂)
鷲尾真知子(さくら)、西村智博(こたつネコ)
内容
(167話)
自分の好きなシチュエーションを夢の実にインプットしたラム。その夢の実をいとおしそうに眺めるラムを見たテンは、その「ぐっすり寝られていい夢がみられる」夢の実をもらおうとするがあっさりラムに拒否されてしまう。舞台は変わって友引高校保健室。不眠症で悩むさくらの姿を見たテンは、ラムに内緒でさくらの為に夢の実を一個だけ拝借してしまう。テンの「ぐっすり寝られる」という効能に、気休めばかりの効果を期待したさくらは、その実を食べて就寝する。しかしその夢の実は、ラムの希望がふんだんにインプットされていた為、さくらは諸星あたるが王子様役のおぞましい夢を見ることになる。二晩続けて同様の恐ろしい夢を見たさくらは深夜にもかかわらず諸星家に乱入、あたるに恨みのたけをぶつける。さくらから事情を聞いて、事態を飲み込んだラムは、内側からさくらの夢を壊すべく、夢の実を食べてさくらの夢の中に入っていく。一方あたるも、さくらとの結婚を成就させようと夢の実を食べて・・・。
感想
(167話)
冒頭、自分の夢をインプットしようとするラムの姿や行動がコミカルで楽しい。特に、不貞腐れながら、角と額にコードをつけ、「こーおぉ?」とけだるそうに答えるラムの姿が。このインプット場面で、コンピューターがラムに対して「身長、体重、スリーサイズ、趣味」等を聞くシーンがあった。ここでラムが正式に答えていたら、それが彼女の公式スタイルになっていたであろう。さすがにそれはやばいとスタッフが思ったのか、物語の中でラムは答えをはぐらかせていた。おかげで今でも彼女のスタイルについては諸説紛々色んな説が巷をにぎわしている。それがまた研究者にとっては楽しいのであろう。ここで彼女のスタイルを明言させなかったのは賢明だったと思う。鉢植えの花について質問したテンに対して、ラムは「夢の実だっちゃ」と答えていた。この場面で、彼女が振り返るシーンが何故か特に丁寧に書かれていた。何か深い意味があるのかと思ったが、別段それについての言及は無し。なんだったんだろう。そのUFOから地球を眺める場面があったが、何気に良く見てみると、地球の大気の様子が異常である。あの渦巻きは明らかに台風。しかもゆうに日本列島を飲み込むほどの大きさ。あの映像では地球のどのあたりか全然分からなかったが、あの台風に襲われた地区は相当の被害を出した模様である。更にその西南の位置にも同じような台風の姿が…。まさに異常気象か!?また、保健室でさくらがこたつネコの熱を測るシーンで「なるほど、38℃もある」と言っていたが、ネコにとっては思いっきり平熱だぞ、さくら。保健婦ならそれくらい知っておけ!やっぱ睡眠不足からくる疲労で意識が混濁していたのであろうか?同晩、UFOにおいて「夢の実」についてラムから追求を受け、しらばくれるテンの態度は爆笑もの。あからさまに態度に出るやつである。さすがまだ幼児。そのさくらの悪夢、一日目の七人の小人扮する錯乱坊ははまりすぎ。ここでさくらが食べたというりんごの内訳を発表しよう。曰く「レッド67個、津軽86個、富士59個、デリシャス142個、世界一120個、スターキング26個。」なるほど錯乱坊の言うとおりしめて「500個」である。しかし、夢冒頭での、錯乱坊の台詞はどう聞いても「100個」に聞こえる。ま、それはおいといて、500個のりんごとはどれくらいの重さになるのだろうか?我が家にあるちょっと大ぶりの梨の重さを測ってみると460g。りんごはそれより1割軽いとして約400g。それが500個とすればその重さ実に200kg。まあさくらなら食べかねんのう。更に、二晩続けてあたるの夢を見たさくらが、怒り心頭諸星家に乱入するシーンがあったが、ちゃんと玄関を開ける音がしていた。常識的なのか非常識なのかよくわからん女である。それ以前に、ちゃんと施錠しとかんかい、あたるの両親。この、あたるの部屋に入ったさくらの目が一瞬光るシーンは、テンポ、作画、効果音ともに絶妙で腹を抱えて笑わせてもらいました。さくらと夢のあたるとの結婚を阻止すべく、あたるとラムが夢の実を食べていたが、ちょっと待て。今食べたのなら、ラムも、あたるも、初日の夢を見るはずだから、三部目のさくらの夢には入れないはず。なのに、律儀にさくらの3部目にシンクロ出来るなんて。いい加減なのか、二人の怨念のなせる業なのか…。夢の中でのシーンはパロディーのオンパレード。「ウルトラマン」の「科学特捜隊」に扮するあたるとさくらの姿がいい。その制服姿は細かいところまで原典に忠実だった。スタッフにマニアがいたのか?でも、原作でも同じように原典に忠実なコスチューム着てたしなぁ。ま、高橋留美子さんは「ウルトラQ(ウルトラマンの前身)」の大ファンだったからある程度納得は出来る。ところでここで出てきた怪獣の名は?なんか見たことあるんやけど思いだせん。ラストちかく、自分の電撃を浴びたラムを、一瞬見捨てそうになりつつも、助けにいったあたるの姿が非常に印象的。これがあたるなんだよなぁ。おんぶされ、しあわせそうに顔をあたるの首筋にもたせかけるラムの表情も◎。この場面も含め、今回もまた非常に絵が綺麗。とくに今回は結構原作に近い作画だったのではないだろうか?物語的にも、原作2話分をまとめているせいか、非常に原作に忠実。その原作の枠内にとどまらず、アニメの良さも十分に出ていたように思える。またこの作品にもスタッフの遊びがたくさん詰まってた。早朝登校シーンで、あたるがさくらに蹴飛ばされる瞬間、ほんの一瞬ちょっと太ったラムの姿が映し出されていた。また、諸星家に乱入してきたさくらに対して、あたるが寝ぼけながら抱きつくシーンでは、ライトセーバーをもったラムの姿が。更に夢の中で、「邪魔者は消えた」とつぶやくあたるをぶん殴るシーンでは、同じくライトセーバーを持ったラム、更には、そのライトセーバーで切りかかるラムの姿が。いずれもほんの一瞬だけ画面に浮かび上がっていた。


第168話 またもや三人娘!ダーリン誘惑大作戦!!
放送月日 1985.2.27
脚本 土屋斗紀雄
演出 西村純二
原作 24-4
作画監督 遠藤裕一
独断評価 ★★☆
原画 平田智浩、西島克彦、丹沢学、富田悦子、浜田勝、菊池由行、山田展彦、犬田一
鷲尾真知子(さくら)、西村智博(こたつネコ)、TARAKO(しゅがあ)、坂本千夏(じんじゃあ)、鵜飼るみ子(ぺっぱあ)、立木文彦、柿沼紫乃、大城まつみ
内容
(168話)
歴代スケ番グループへの復讐を企てるご存知惑星中学現役スケ番3人組。正攻法ではかなわないと悟った三人は、ラムの亭主、あたるに対しての色仕掛け計画を立案。様々な訓練を重ねて、いざ地球へと赴く。しかし、その三人組に一向に色気を感じないあたると、なんとしてでも、誘惑しようとする三人組の間で不毛の戦いがはじまる。
感想
(168話)
三人組三度目の登場。相変わらず馬鹿炸裂。冒頭、三人組が巨大冷凍庫にこもるシーンがあったが、その大きさも去ることながら、疑問として浮かんでくるのがあの巨大取っ手。だれがあの取っ手を引っ張って冷凍庫をあけるのだ?しかし、無類の女好きのあたるから見向きも去れないなんて、よほど色気がないんだろうな、こいつら。と思いきや、一年前の第120話「決斗!弁天VS三人娘!!」では、あたる、こいつらに対して相当な関心を抱いていた。一年もたつと好みが変わるのだろうか?ちなみにあたるが立ち読みしている雑誌の表紙には、劇場映画版第三作「リメンバー・マイ・ラブ」に出演していた「ラーラ」の顔写真が掲載されていた。さらに三人組が、あたるに自分の特殊能力を見せる場面のモブシーンでは、ラーラ、ルウの姿も。また、テニスウエアを着る響子さん、一の瀬夫人の姿も。さすが西島克彦氏。やってくれます。あたるのガールハント哲学云々場面はアニメのオリジナル。また、後半の、色気スプレーのよって醜態をさらすあたるの場面もアニメオリジナル。テンのおしりをいとおしそうに頬擦りするあたるの姿が最高。その迫りくるあたるの行動をなんとしてでも止めようと、「これからはいい子になるぅ!」と必死にお願いするテンの姿もめちゃくちゃ可愛かった。また、こたつネコの背中を逆なでする描写はリアルで、視聴者にまで、こたつネコの毛ざわりを感じさせるほど秀逸。内容的にも結構原作に忠実だった。でもなぁ。なんか物足りず。三人組の行動があまりにあからさまだったからだろうか?今回はそれほど笑うシーンもなかった。残念至極。


第169話 駆けめぐるコタツ猫!何が何でも暖まる
放送月日 1985.3.6
脚本 井上敏樹
演出 鈴木行
原作 24-5
作画監督 林隆文
独断評価 ★★☆
原画 河南正昭、服部一郎、中島敦子、川口幸治、門脇孝一
西村智博(こたつネコ)、西村知道(古物商のおやじ)、加藤治(佐吉)、立木文彦、菊池正美、能村弘子
内容
(169話)
古物商で粘った挙句100円でコタツを購入したこたつネコ。上機嫌で諸星家に帰宅、早速こたつ布団をかけようとするが、その瞬間、こたつが逃げ出した。何度こたつ布団をかけようと挑戦するも、巧みに逃げられてしまうこたつネコ。ふとよく観察すると、そのこたつには面堂家の紋章があった。手っ取り早く面堂を呼び出し、事情を聞くと、このこたつ、南極一本杉で製作されているため、極端に暑さを嫌う性質なのだという。そんな理由を聞いても、こたつマニアのプライドに燃えるこたつネコには馬耳東風。なんとしてでも、こたつ布団をかぶせようと悪戦苦闘する。その奇怪なこたつの謎を解くべく、製作者の佐吉に連絡をとり解決策をみつけようとするが・・・。
感想
(169話)
これまで準レギュラーとして活躍していたコタツ猫、初登場以来の主役級の活躍である。しかし相変わらず台詞が少ないので、コタツ猫役の西村智博氏にとっては物足りなかったことであろう。タイトルの「駆けめぐるコタツ猫」は、相当昔、ビューティーペアが一瞬流行らせた「駆けめぐる青春」のパロディか?冒頭の、古物商時計の段階を分けたフェードアウトは黒澤明監督「生きる」における主人公葬式シーンのフェードアウトを髣髴とさせた。って誰もしらんだろうね。そのこたつに値段をつけようとする古物商主人に迫り寄るコタツ猫の真剣な表情が◎。100円で購入でき、上機嫌のコタツ猫、諸星家に帰ってた。たまに空き地の錯乱坊のテントに間借りすることはあっても、完全に彼の居住区は諸星家になったようである。なんと心の広い諸星家の両親。あたるの部屋でオセロを打ち興じるあたるとラム、および傍観者テンの姿が非常にほほえましくてよかった。しかし、あたる、盤面全てを白に変えられるとは。まさに完敗である。同じ場面、こたつのプライドに燃えるコタツ猫の表情は原作そのままだった。また悪口を言われた面堂がわずか0.1秒で諸星家に突進する描写は最高におかしかった。どこでもドアなみである、この速さは。すでに手討ち用に着替えてるし…。更にそのコタツから往復びんたを喰らう面堂も馬鹿丸出しで爆笑ものだった。その仕打ちに激昂した面堂、「その首たたっきってやるっ!」と叫んでいたが、やはり、発熱部分か?その首は。カブトガニの佐吉が出てくる場面からアニメオリジナル。佐吉、君の言動、及び逆はサム過ぎるぞ…。これも含めて、オリジナル部分はちょっといただけなかった。原作自体のオチも結構無理があったが、このアニメのオチはさらに無理があった感強し。


第170話 竜之介の父・純情す!妻は面影の中に!!
放送月日 1985.3.13
脚本 柳川茂
演出 吉永尚之
原作 24-6
作画監督 アベ正巳
独断評価 ★★★
原画 平田智浩、青木康直、中島敦子、うつのみやさとる、アニメスポット、スタジオリバティ
田中真弓(竜之介)、安西正弘(竜之介の父)、西村知道(校長)、小宮和枝(ラン)、鷲尾真知子(さくら)、西村智博(喫茶店のマスター)、大塚智子(想像の真砂子)、高宮俊介
内容
(170話)
校長からの再婚話に、柄になく動揺する竜之介の父。その父の様子を訝しがる竜之介。そこで彼は父から、母の着物を着てくれないかとの意外な申し出を受ける。昔、父が遊園地でバイトをしているときに、同じくその遊園地でバイトしている母と出会い、同じような境遇から二人は恋に落ちた。そのときの衣装を竜之介に着て欲しいというのだ。いつになくまじめな父。ラムによる嘘発見器による調査でも嘘を言っている気配はない。緊張しつつその遊園地に向かい、ラム、しのぶ、さくらに着付けを手伝ってもらう竜之介。しかしてその衣装とは…。
感想
(170話)
冒頭、保健室を掃除する2年4組の面々。諸星あたる一人だけ、羽箒でさくらの体を掃除してちょっかいを出していたが、さくら、軽い突込みを入れるだけで止めようとはしていなかった。結構気持ちよかったのか?竜之介による、過去の恋心を抱いた同性に対する回想シーンは◎。特に、初恋の相手を男だと確信して聞くさくらの想像による男性教師シーンの泣き伏す描写は爆笑もの。しかし、初恋の相手、小3、小6のみき、中学の恵子、ゆきえ、加奈子、そして現在のしのぶと結構恋多き少女である竜之介。「俺は変態じゃねぇ!」と絶叫していたが、やはり変態だよな…。異性に恋をすれば少しは女らしくなるであろうというさくらの台詞にすぐ立候補したあたると面堂。二人とも竜之介から同等の突込みを受けていたが、面堂、完全にあたると同等に成り下がってしまった…。この後のシーンで、竜之介の父が女とみれば手当たりしだい結婚を申し込むシーンがあったが、こういう父のキャラはアニメオリジナルであった。父に迫られたしのぶの、おびえた顔から「どすこいっ!」と彼を突き飛ばすシーンの豹変振りは結構笑えた。この後の購買部シーンにおいては、またランが消しゴムを所望していた。二年前の第88話「ランちゃんのデート大作戦」とほぼ同じシチュエーションと同じ語り口(声優さんは変わっているが)。かわりばえのしない女ラン。このラン、竜之介の父に突っ込みを入れるとき、往年の「おれたちひょうきん族」で使われるような巨大鉛筆を使用していた。普通ならこういう大道具は場面の切り替えとともに消えるものなのだが、彼女が去っていくシーンにおいても、この巨大鉛筆は彼女の脇にしっかりとつかまれていた。案外大切なもののようである、彼女にとって。竜之介の父の回想シーンにおける、嫁真砂子製作の「梅干のあんこ和え」は、いつもの父の出鱈目な回想による副産物なのであろうか?はたまたラムが嘘発見器で調べたように、本当のエピソードなのだろうか?真砂子の性格を研究するにはちょっと気になる事項ではある。後半冒頭、校長からの再婚話に動揺し、まな板にかんなをかけ、選択用粉せっけん「どぶ」を鍋に怒涛のように流し込む竜之介の父の姿は◎。特に包丁でまな板にかんなをかける描写は秀逸だった。父と、真砂子が初めて出会った遊園地の場面で、冒頭観覧車の俯瞰シーンがあったが、これよく見ると相当変。なんという速さでまわってるのだ?あの観覧車。この観覧車が所有するキャビンは全部で16個。このゴンドラの大きさから察するにこの観覧車の円周は約128m。直径は40mあまりか。12月完成予定の福岡姪浜大観覧車の直径は約112m。円周は約351.7m。この観覧車、一周するのに約20分かかるという。するとここから導き出される回転速度は時速1.05km。たった時速1kmである。そりゃそうだろ、その間、ひっきりなしに人が乗り降りするのだから。これ以上早くなると、確実に老人は立ち往生するであろう。しかしてこの遊園地の観覧車の速度をはかってみるとなんと時速16km。一見大したことなさそうだが、子供の全力疾走の速さだ。このスピードで迫りくる鉄の塊、キャビン。老人はおろか、若者ですら決死の覚悟でのりこまなくてはならない。おそらく死傷者が続出したことであろう。そんなもんをずっと稼動させてるわけもなかろう。すると、あれは観覧車に見立てた巨大オブジェか!?無駄なことおびただしい。竜之介による想像シーンにおける真砂子の顔は、原作どおり、「めぞん一刻」の響子さんそのもの。残念ながら声優は島本須美嬢ではなかったが。竜之介の着替えを手伝おうとするあたる、ラムから渾身の一撃を喰らっていたが、衝撃の瞬間、彼の口には「アホ」の文字が浮かび上がっていた。全く浮かばれん奴である。竜之介の着替えをそわそわしながら踊り狂いつつ待つあたると父の姿は爆笑モノ。しかし竜之介。仮面をかぶるまで気付かなかったのか、この衣装に。ギャグのテンポを崩さまいと気付かなかったフリをしてた可能性もあるが、それほど芸達者でもなさそうだし…。ま、一番問題なのは、最後まで着付けを手伝ったラムとしのぶとさくらであろう。罪な女達である。更に竜之介の父。特撮アトラクションの怪獣役に素顔ででるのはどうかと思うのだが。竜之介、怒りのライダーキックの瞬間、画面には「CHUK!」の文字が。また、この怪獣アトラクションの司会役、あきらかに既存の人物のパロディだった。誰がモデルだったのか少し気になる。今回、内容的には結構原作に忠実だった。作画監督は、第135話「弁天&竜之介 明日に向って走れ!」以来のアベ正巳。ちょっと各キャラクターの顔が、これまでの作画とかなり一線を画していて違和感たっぷりだったが…。後半、竜之介が衣装に着替えたシーンから、作画は中島敦子さん。この人の絵は非常に原作に忠実で(特に竜之介の父が「真砂子に瓜二つ!」と感激する表情)見やすかった。


第171話 春らんまん!?おユキのカゼで氷づけ!!
放送月日 1985.3.20
脚本 柳川茂
演出 西村純二
原作 24-1、25-6
作画監督 大森英敏
独断評価 ★★★
原画 ビーボォー、所智一、辻清光、山本正文、澤田正人、篠雅律
小原乃梨子(おユキ)、三田ゆう子(弁天)、小宮和枝(ラン)、池水通洋(温泉マーク)、玄田哲章(レイ、ラン想像のウサギ)、西村智博(コタツ猫)
内容
(171話)
レイとのデート資金が底をついたランは、おユキだしにつかって金を稼がそうとたくらみ、ラムとともにおユキの家へと向かう。そこでランから出鱈目な人情話を聞かされたおユキは快くランの申し出を受け、共同バイトに精を出す。おユキの見世物小屋を作り、荒稼ぎするラン。大金を見た途端、折半することが惜しくなったランは、おユキ、ラム、弁天から逃げ出そうとするも即捕まり、売上金の全てをおユキに奪われた挙句、逃走中に破壊の限りをつくした他の屋台の弁償の為1週間の強制労働を強いられる羽目になる。おユキによる氷漬け、および強制労働による疲労から悪性のカゼをひいたランは、腹いせにおユキにそのカゼをうつす。ランから悪性のカゼをうつされたおユキ、及びおユキの居住する海王星は大パニック。カゼが悪化するたびに体温がさがるおユキのせいで海王星は全土凍結の危機に瀕してしまう。医療器械まで凍結させてしまったおユキは漢方の風邪薬をつくろうとするも、材料の一部、猫の髭が海王星では手に入らないことに気付き、はるばる地球の日本にやってくるのだが…。
感想
(171話)
冒頭巨大貯金箱を破壊するラン。貯金箱を割るときって、大抵ある程度たまってからである。なのに中味はたったの100円。銀行のように自由に出し入れできるのであれば、いつのまにか残金が100円になっていてもおかしくはない。しかしこれは破壊せねば中味がとれだせない貯金箱である。つまり、デートのたびにランが必要な分だけ取り出していたとは到底考えられない。すると最初から100円しか入ってなかったことになる。たかだか100円入れただけで破壊してしまうとは…。彼女の経済観念が今一良くわからん。ランからバイトの依頼を快諾しつつ、上がりの半分の受け取りをしっかり約束するおユキのせこさが最高に面白い。この場面、おユキはランの作り話にだまされてバイトを快諾してるような描写であったが、おユキ、実はその話が真っ赤な嘘であることに気付いていた可能性大。友達のデート代の為のバイトであれば、海王星の民の手前とても了承できないが、どんな嘘っぽくとも表向き大義名分があれば、大手を振ってバイトができるではないか。お金を大切にするおユキなら、その大義名分さえあらばどんなバイトでも喜んでやったのでは?後半、風邪を引いたランをラムが見舞いに行った場面のランの悪態が爆笑もの。夜店での一週間ただ働きって、なんだったんだろう?そのランから風邪をうつされたおユキの為、海王星全土が凍結の危機に瀕しているとの事だったが、すでに海王星は凍結してると思うが…。コタツ猫を求めて校内を徘徊するおユキや、そのおユキによって次々冷凍されていく生徒たちの描写は秀逸。今回は原作二作分の為、結構原作に忠実…でもなかった。その2話が結構内容の濃いストーリーだったので、原作での重要シーンが結構カットされていて残念だった。前半のおユキの見世物小屋エピソード、原作では、やくざに「ショバ代を払え」と因縁をつけられたランが、弁天に用心棒を依頼し、弁天によってボコボコにされたやくざが「ショバ代はいらない、医者代さえあれば」という爆笑もののシーンがあったのに、アニメではカットされていた。うう。あの場面が面白いのに。また、後半のおユキ風邪エピソードにおける、コタツ猫に愚弄され逆上面堂のコミカルな姿もカットされていた。更に今回、作画監督として大森氏が初クレジット。絵は非常に丁寧なのだが…。あたると面堂としのぶの顔がもはや別人。だれだこいつらは!?と思わずテレビに向かって絶叫してしまった。おユキの見世物小屋にはいろうとする面堂をたしなめるしのぶのスタイルは完全におばはん体形になっていて絶句。少しは原作、あるいは高田明美嬢のキャラクターデザインに似せる努力をして欲しかった…。


第172話 友情パニック!わいはフグが好きやねん
放送月日 1985.3.27
脚本 柳川茂
演出 望月智充
原作 24-3
作画監督 加藤鏡子
独断評価 ★★★★
原画 高木弘樹、高峰よしえ、原博、みうらさとし、加藤鏡子(作画協力亜細亜堂)
鷲尾真知子(さくら)、西村智博(コタツ猫)、田中真弓(竜之介)、安西正弘(竜之介の父)
内容
(172話)
あたるにいじめられ、トラジマに強烈なパンチを食らう毎日を振り返り、突如孤独感に苛まれるテン。そんな彼の目下の心の拠り所は、鑑賞魚店に売りに出されている仏頂面をしたフグだ。ショーウィンドウから彼を見るたびに心癒され、彼との友情を深めていくテン。さくらのすすめもあって、購入を決意するテンだが、一足先に売れてしまったことを知らされる。その一足速かった購入者はなんと諸星あたる。あたるは別に観賞用にフグを買ったわけではなく、太らせて食用にしようとの思惑から購入したのだ。何気ないあたるの一言、「フグちりにしてやるからな」の意味を敏感に嗅ぎ取ったフグは、金魚鉢の中で右往左往しパニックになる。そこにあらわれたのがテン。偶然の悪戯で諸星家において再会を果たしたテンは、大喜び、嬉しさのあまり、自分のキャラメルをフグに与えてしまう。以前、自分の星の食べ物を地球の生物に与えてしまった為、ペンギンや原生動物を巨大化させてしまったテン、今回も何の学習もなくフグを巨大化させてしまう。テン並の大きさに突然変異したフグは、挑戦的な目つきのラムを成敗、大空の彼方に去っていく。あわてたテンはフグを追っていくが、フグが行く先々でトラブルが発生してしまう。
感想
(172話)
うる星ワールド炸裂の爆笑編。冒頭、鑑賞魚専門店に何故かフグの姿が。その水槽のフグを、体を宙に浮かせたまま見つめ続けるテンの姿。そしてその背後を普通に行き来する人々の姿。テン、もはや完全に友引町の町民に溶け込んでいます。テン回想シーンにおける諸星あたる、テンの炎によって熱せられたフライパンで目玉焼きを作っていた。芸が細かい。しかしあたる、中央部が真っ赤になっているフライパンを直接テーブルの上に置くのはどうかとおもうぞ。鍋敷きを推薦する。また同じく回想シーンで、テンに制裁を加え、屋根の上で仁王立ちするトラジマの姿があったが、屋根の大きさから推測するに、トラジマの身長はゆうに1.5m以上はあった。成長したものよのう。こういった惨めな回想を終えたテン、フグに向かって「なんでこんな目にあわなならんのや」と愚痴っていた。ならば自分の星に帰ればよかろうとも思えるのだが、なぜそんな思いをしてまで地球にとどまるのだろうか?やはりラムと一緒にいたいのだろうか?はたまた実家の火消し母と毎日一緒にいるのは息が詰まるからか?意外にもあたると遊びたいが為か?それぞれの因子が微妙にまざり合わさってるのだろう。ただ断言できるのは、「真子」がいるからとどまってるのではないという事だ。本気で嫌ってるもんな、テン。孤独に悩むテンがコタツ猫に遭遇する場面があったが、このコタツ猫、買い物袋の中に大量の野菜をぶら下げていた。近所のスーパーで購入したのだろう。つまりこいつもテン同様完全に友引町に溶け込んでしまっている。こういう化け猫との共存に対して、一抹の不安も覚えない友引町民に乾杯である。このコタツ猫にテンは「ひさしぶりやな!」と声をかけていた。あれ?こいつは確か諸星家に居候していたはず。なのに同じ諸星家居候のテンに「ひさしぶり」と言われたということは、しばらくネグラを錯乱坊居住の空き地に変えたのか?何もこの寒い冬の時期に空き地で寝起きをせんでもと思うのだが…。この後、あたるとラムの町内散歩シーン。こういう散歩でも、ラムにとってはデートなんだろう。このあたるのフグに対する大阪商人顔負けの値切りに、頬を染め恥ずかしがるラムの表情が◎。原作における同じ場面のラムの表情もなかなかいい味を出していた。この場面における、フグやあたるの顔について言い合う二人のやり取りがほほえましくて良かった。また、テンのキャラメルによって巨大化するフグの表情や仕草も原作に忠実でいい味を出していた。また、フグを巨大化させたテンをラムがしかるシーンでは、ラム、思い切り尻がパンツからはみ出していた…。ここでラム、自分の星の食べ物は、地球人に突然変異を起こす危険があるから絶対食べさせてはいけない!と叱っていたのだが、ラム、君はあたるに無理矢理食べさせてるやん…。と思った。が、ラムがあたるにたべさせてるのは、自分の星の食べ物の味付けをした地球の食材だったな、そういや。そのラム、フグからの毒攻撃にやられ完全に痺れていた。珍しいラムの感電(?)シーンである。あれ?でも確か第78話「ダメッコ武蔵 風雲録」では、テンと同様フグ中毒になってなかったのに…という突っ込みは今回勘弁してやろう。このラムの感電シーンの間抜けぶりは必見である。この後久しぶりにメガネとパーマが登場。メガネ相変わらず70年代の全共闘のような長口舌。その中で「来るべき最終目的に備え、今日(こんにち)の屈辱的状態に甘んじている我々の闘争に対して有害でさえあるのだ!」とあったが、彼の最終目的とはなんぞや?やはりラムか?何の闘争をしてるのやら。逃走(現実逃避)としか思えんが…。また錯乱坊とコタツ猫が、空飛ぶフグに甘言を弄し、野菜鍋に投入しようとする場面があったが、そのまま入れるのは危険すぎるのでは?フグは種類によって毒のある部位が全然違うとの事だが、丸ごと入れたら中毒を起こすのは必定といえよう。同じく、フグを見た途端柔和な顔から狩人の顔になるさくらの豹変振りは爆笑モノ。場面変わって、昼飯の支度をする竜之介の父が登場するのだが、彼の大根、キャベツ調理シーンは必見。普通のアニメなら、こういう野菜の包丁調理シーンは、同一箇所切断シーンの連続で、野菜が全然切れてない印象を残すもんだが、この場面では大根もキャベツも端から端まで丁寧に切断されるアニメーションとなっていた。だからといって親父、亀の子タワシまで切断するんじゃない!第170話の後遺症か?同じ場面、竜之介による怒りの蹴りシーンは秀逸。なんと言う体の柔らかさか!!後半、漸く面堂が登場。今回は更に彼のアホさ加減がエスカレート、完全に諸星あたるを凌駕していた。フグから二度も同じ攻撃を喰らうとは、猿よりも劣る学習能力である。メガネ、パーマ、君たちも同じ事だ。そして諸星家夜のラストシーン。布団で爆睡するあたるの姿がうつり、その後おなじく布団で安らかな顔をして眠るラムの顔が。(押入れのなかで布団を引いてるのか?)と思った瞬間。なんと二人とも同じあたるの部屋で寝てるではないか!!一応テンの布団が中央にあって二人の布団は隣接してるわけではないのだが、このシーンは衝撃的だった。まさにサザエさんのサザエ、タラ、マスオ状態である。原作者の高橋留美子さんは、「なぜラムちゃんはあたるの隣で寝ないのですか?」との読者の質問に、「二人は高校生だから一緒の部屋で寝ることはダメ」とインタビューで答えてたのに…。といいつつ、この場面のほほえましさは最高であった。さて、今回の物語は、原作一作分のアニメ化の為、随所にアニメオリジナルが散りばめられていたが、どのオリジナルエピソードも原作のクオリティを落とすことなく、一定のレベルを保っていたように思う。テンのキャラクターも十分に生かせたのではないだろうか?さらに今回は絵が綺麗。なんという見やすい絵なのか。まさに感動モノであった。も一回みようかな?てな事を言ってるうちに遂に第七期終了。残すところ後1年分のみ。ああ。ちょっと寂寞感に襲われそう…。



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