ラムの星について
No.1 2002.2.11 NbU氏 現在?ラムの両親達が住まう星、そこでラムの様な生物(こう書くのはとても抵抗があるのですが)が進化しえただろうか、当時の私たちにはとても疑問でした。 そこで出てきたのが、どこか別の惑星で発生した生命が星々を渡り、めぐり合ったその星の住人と交じり合い、同化しながら新しい形質を身に付け、何世代か後には一部がまた別の星へと旅立ってゆく。(ほとんどはその星の住人として時を重ねるのじゃないかな) そんな、生命の姿でした。 幾つにも分かれた枝の一つが、ランたちの星へとたどり着き、そこで何世代かを経て、そしてその中からラムや父親は地球を訪れた。 (そして、これは時間がたってからの後知恵ですが「侵略」という言葉は果たして「翻訳」として適切だったんだろうか、今はそんなことも考えます。) ラムの友達とか同級生として登場する異形の異星人たち。そんな中には、ラムと祖先(の一部)を同じくする子もいるんじゃないかな、なんて。(クラマ姫なんかも、仮に彼女の母の母から男漁りを始めたとしてもクラマ星人よりも日本人の血のほうが濃いんですしね) 鬼族の起源というより、鬼族は起源の一部としてそういうものをもってる。宇宙の全てにラムの様な宝物をもたらしながら、異郷同士を結び広がってゆく、と。宇宙はうる星でいっぱい。 こんな風に考えてしまったら、原作から離れてしまいすぎでしょうか。 ファンとして一つの作品だけにのめり込んでいくと、自分のポジション、バランスというものを見失ってしまいそうです。出来うることなら、自分の想いが誰かの想いを、その想いの対象なるものを汚すことの無いことを、願いながらも想うことはやめられない。 またご意見をお聞かせください。 NO.2 レス・ 2002.2.11 ゆたんぽ氏 前回の文章で、NbU様の『視点』は解っていました。 今回の分で更に深く解りました。ズバリ、面白い視点です。 キーワードは『侵略<集団移民』であり、その動機が悠久の時の中でDNAレベルで刻み込まれていると…。 また種の起源は同一であり、枝分かれしたそれぞれの子孫が、その星の環境に適応する事によって独自の文化や超能力を得ることができたと…。 要約すればこういう事ですよね? 実はカール・セーガン博士の『コスモス』等を読めば、いかに我々人類が異星人と出会う可能性が低いのか証明されています。 ですからヒューマノイド・タイプの炭素系生物の起源を同一視する論は昔からあったわけで、 その発想は理に適っていると思います。 宇宙はビッグバンにより今現在も膨張を続けているわけですが、その最果ては未だに謎です。 同一銀河内に於いて、ほぼ同じような科学にまで発展する文明を持ちうる人類発生の可能性は限りなくゼロです。(これは証明されている。) つまりファーストコンタクトは、異なった銀河からの来訪者でなければあり得ないのです。 では銀河から銀河に飛んでくる『科学力』とはどのようなものか? この科学を育むその人類の『歴史』と『文化』を想像してみて下さい。 私たちは5000年の歴史を持つと言われています。ですが未だ月までしか到達していません。 後何年たてば太陽系をその眼で知ることができるのでしょう? またそれからどの位年月を経れば、詳しい銀河図を作成できるのでしょうか? 政治・戦争・資源枯渇…人類が滅亡する『タネ』は山ほどあります。 それらをすべてクリアして、なお億単位の歴史が必要でしょう。 その山積する諸問題をクリアした『人類』がこの宇宙のどこかに存在する…面白いです。 実は次の第2章でこのお話がでてきます。 その前置きとして、弁天様の一族をあのように書いたのです。 たかだか、銀河系の小判鮫(解るよね?)に行くためにあの戦艦は1年掛かっています。 さぁ、私が書く小説にでる鬼星はどこにあるのでしょう? そしておユキさんの存在をどのように描くのか?(太陽系住民だ!?困った存在。) それはそれとして、身体的能力は環境によって変化します。 テンやラムの超能力も進化の過程での副産物な訳ですよね? 極小的な疑問ですが、この辺りも描いていきたいと思っています。 クラマ姫の母は人類とのコンタクトをおよそ900年前の鎌倉時代に済ませています。 私の想像する鬼族や弁天様の一族も、昔地球に来たであろうと考えています。 では、完結編にでてくるルパやカルラ達は?かなり和風ですよね。 これは歴史のシンクロニシティー(共時性)を、その理由に考えています。 NbU様のファン度は疑いようもありません。また考えるのもファンの楽しみです。 ただ『思う』だけでなく、誰も反論できず納得せざるを得ない『理論』の武装が必要です。 畏れず、不安がらずジャンジャン考えましょう。それも楽しみ方の一つではないでしょうか? 私と同世代のうる星ファンはこんな事ばっか、考えていたんです。 おそらく『謎本』を作ったのも同世代ではないかと睨んでいます。 NO.3 レス・ 2002.2.12 NbUさん 御丁重なレスありがとうございます。 <コスモス>TVシリーズが思い出深いです。身近に付き合いが出来る、異星「人」との邂逅の可能性の絶望的な低さは悲しいものがあります。 「地球レベル」の発想になりますが、かつて人類の移動や情報通信の速度が「馬速」どまりだった頃、今でいうところの「文明度」の異なる文化がごろごろありました。 地球ではそこから植民地支配や宗教や文化的な侵略という、やりきれない歴史が繰り広げられてしまったのですが、そういったマイナスの思考を持たないインベーダーがいたとしたら、それも宇宙レベルで。 ラムやその父による地球「侵略」にしても(両星)双方の力関係からいえば儀式も何も無くとも鉄板で地球の負け。彼らにその意思があったら地球は文化的アイデンティティーを否定されていたでしょう。 私にしても、レジスタもゲートも解りませんがパソコンを使ってますし、リモコンでビデオ録画も出来てしまいます。 進化の階梯(古い言い方ですけど)や文明度は、その種の持っているバイタリティーの前には意味を小さくするんじゃないでしょうか。「ロボット三原則」や「文明度C級の星には干渉してはいかん」等々はアメリカSFの小道具でしかありません。 現代から数億年前、数億年の間、地球には恐竜達がいました。彼らが宇宙人の接触を受け星間旅行をやらかすようにようになっていたとしたら、おそらく絶滅は無かったでしょうし、今の私は存在しないでしょう。確かにそれは大変迷惑な話しですが、「いいじゃん、それで」そんな風に想います。 そこに悲惨な侵略を見るか、苦労をいとわぬ先導者を見るかですが、私(や、当時の周囲)は のんきで甘っちょろい夢見がちな少年でした。(マイナスサイドの発想なんか元から無かった) 小説の続き、楽しみにしています。 ここからは今の私の考えですが、ツールとしての技術は、宇宙のどこかで一つ、一度確立できればいい、アンバランスでもいい。(時間的にも空間的にも)それを結びつける存在さえいれば。 <超能力>まさにその通りだと想います。(私の考えの流れの中の話しですけど)鬼族も数千年、数万年の時間の中で別れと出会いを(他の種族と出会うのと同じように)繰り返して進化していると思います。 <おユキさん> 大問題なんですよね。笑い話でよければいくらでもでっち上げられそうですけど。 異次元トンネルを掘っちゃう人ですから、どこにいてもいいのかも。 <理論武装>しなくてはならなかった当時が今は懐かしい。悲しいことに敵がいましたし。(個人的にも円谷怪獣ではないんだから「電気袋」「冷気袋」はイヤーンだったし、でも「足跡カード」があったら今ならちょっとほしい)私の世代もこんなことばかり考えています。 <謎本>あたるの誕生日に対する考察は「よくやった」。マニア向けには物足りないところもあるんですが、実際に手を動かした彼ら(?)は評価されて良いですよね。 もっとも今ならdeaconさんというとんでもない(誉め言葉)方がいらっしゃるのですが。 <あの戦艦>冷静になって思い出すと筋が追えなくなっていることに愕然。 「日本の闘う男の艦だ」本筋と関係ないシーンばかり浮かびます。 NO.4 レス・ 2002.2.13 ゆたんぽ氏 やはりある程度の年齢を重ね、表面上の〔楽しさ〕以外を楽しもうとすれば、 作品に対する見方も『匠の眼』が必要になりますよね。 その下地として様々な文献を漁り、熟読玩味を…さすが、なさっていますね。 アメリカSFの小道具云々も納得ですし、その前の一言。 種の持つバイタリティーは文化を超越する…これは大きい。 絶対にそうじゃないと否定したくとも、事実なんですよね〜。 エイリアンを引き合いに出しても良いですが、埃っぽい部屋で咳を出す私の横をすり抜けるゴキブリ。 単体なら私の方が長生きでしょうけれど、種としては果たしてどちらが…。 そして次のツールとしての技術というお話。 これ、よろしければもっと具体的に書いていただけませんか? 非常に興味があります。 昨年『甲殻機動隊2』が発刊されたとき、友人と『種の起源』と『固有の文化』について、かなり話し込んだんですよ。 個人的に混沌としていたので、ある種の解答が得られる予感が致しました。 すみませんが、お願いします。 NO.5 レス・ 2002.2.14 NbU氏 <ツールとしての技術>もったいぶった言い方になってしまいましたが、これは私が現代において「技術」と言う言葉の意味に混乱が生じていると感じている為にこういった表現になりました。 ゆたんぽ様の言う<『種の起源』と『固有の文化』>という問題につながるものかは解りかねますが、ここでは直な<解答>よりも「きっかけ」を探しておられるとお見受けしますので、私見に基づきましてもう少し書かせていただきます。 <ツールとしての技術>これは身も蓋も無く、普遍的に誰にでも道具として使える技術のいみです。 その中でも、たとえば連立方程式の解法。これは独立して確立されている「技術」です。より複雑な数学的命題に関わる人でもこれはそのまま使うことが出来ます。宇宙船の航法でも使えます。必要な人が必要に迫られてからその度に確立しなくちゃならないものではない。 誰かが何処かで一度確立し、それを保存し、広く知らせることが出来れば良いと、私は考えます。金属の精錬や加工、構造体の強度設計、あるいは波動エンジンも。 「あの戦艦」はもらってきた技術をビルトインしただけで、それを元から持っていた文明に勝利してしまいます。技術はそれのある無しで何かを決定付けるものではなく、それをいかに使い、何を表現するかです。「あの戦艦」の乗組員達はその技術以外の大切な何かを持っていたのに対し、侵略者はそれを持っていなかった。(しかし、こういう物語がシリーズを重ねるだけでどうしてああなってしまうのでしょう?) 自分が混乱してしまいました。すいません。 未成熟な思想ですので強引にまとめます。 私としてはこれは種のバイタリティーの問題と直結します。 伝書鳩に宇宙まで飛べる翼を与えたらどこに向かうでしょう。鳩小屋に戻るのでしょうか、月を目指すのでしょうか。それが人間だったらどうでしょう。ゴキブリだったらどうでしょう。 人が宇宙に行くにはその為の技術が必要ですが、それは必ずしも人の手になるものである必要は無いでしょう。人はこれからも七転八倒(いつ起きる?)宇宙開発を続け、もしかしたらその種の寿命の内に外宇宙に進出できるかもしれない。その蓄積の果てに宇宙を旅する人類と、ぼた餅で宇宙に出た人類その間に可能性の差はそれ程あるようには思えないのです。それよりも、放って置いたら星の寿命とともに滅びる生命を誰かが引っ張りあげたほうが宇宙はきっと面白いことになる。(個人的には自分が元気なうちに月くらいまでは行ってみたいものです。他力本願ですけど)技術はそれを開発する力のある存在の独占物ではなく、それを欲する「意思」のある者のもとで可能性を発揮します。 それを広め歩くような存在がいれば素晴らしいな。と、いう、考えと言うよりは願望でしたね。 まとまらない長文失礼しました。 |
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